三幸エステートとニッセイ基礎研究所は、2025年上期の東京都心部オフィス市場動向を共同で分析した。オフィス拡張移転DIは69%と基準値を大きく上回り、需要の底堅さが明らかに。一方、情報通信業では縮小移転が目立ち、業種ごとに異なる動きも浮かび上がっている。
拡張意欲は伝統産業で堅調、情報通信は「立地・質重視」へ
2025年上期の東京都心5区におけるオフィス成約面積は47万坪で前年同期比+3.4%。拡張移転DIは第1四半期の64%から第2四半期に69%へ反発し、需給の引き締まりを裏付けた。
業種別では、不動産業・物品賃貸業(77%)、製造業(69%)など伝統産業で拡張意欲が底堅く推移。一方、情報通信業は48%と50%を下回り、縮小移転比率が35%に上昇。単なる縮小ではなく、立地やビルグレード改善を目的とする事例も見られる。
ビルクラス別ではA~Cクラスいずれも70%前後と高水準で推移。空室率は2024年12月の3.93%から2025年6月には2.76%まで低下し、都心部では募集床の品薄感が強まっている。
全体としては堅調な需要が続く一方で、業種ごとの方向性が鮮明になりつつある。今後はインフレ環境下での賃料上昇が焦点となりそうだ。
詳しくは三幸エステートまで。
レポート/DXマガジン編集部






















