日本イーライリリー株式会社が実施した調査で、軽度認知障害(MCI)または軽度の認知症と診断された当事者およびその家族(94名)を対象に、「支援があれば自立した生活を維持できているか」を聞いたところ、92%が「自分のことは自分でできる」あるいは「誰かの支援があれば自立できる」と回答したことが明らかになった。
この結果に加えて、76%が「早期に診断を受けたことは良かった」と感じており、診断タイミングと適切な支援が当事者の生活の質に大きく影響することが示された。対して、一般生活者の「もの忘れ」に対する受診意向は低く、健康全般については受診意向があるものの、「もの忘れ」が気になった時点で医療機関に相談する人は48%程度にとどまることから、早期対応の啓発が必要だという指摘もある。
また、当事者・家族の75〜77%が、「少しでも異変を感じたら」「いつもと違う状態が続いたら」医療機関を受診する意向を示しており、自覚と行動の間にある一般生活者とのギャップが浮き彫りになっている。調査監修者である神戸大学の古和久朋教授は、「異変を感じたら専門機関に気軽に相談すること」が重要とコメントしており、診断遅延のリスクを減らすことの意義を強調している。
この調査は、「支援ありき」での自立可能性の高さと、早期診断・早期受診の重要性を示すもので、認知症に対する社会の偏見や“見て見ぬふり”的な態度を変える契機となりうる。医療機関・自治体・地域社会において、もの忘れに敏感になるきっかけづくりや相談のハードルを下げる取り組みが今後ますます求められるだろう。
詳しくは日本イーライリリー株式会社まで
レポート/DXマガジン編集部






















