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「成長できない時代」に勝つ。安定企業が選んだ“4つの逆張り戦略”とは

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市場成熟や人口減少、サステナビリティ志向の高まりで、毎年の売上拡大だけに頼る経営は難しくなっています。筆者らの20年・1万社超の分析では、収益成長がほぼゼロでも市場平均並みの株主リターンを維持し、変動性は12%低い“安定企業”が存在しました。時価総額の大崩壊リスクは半減、平均社齢は約100年。うち3分の1は総株主リターン(TSR)で市場を上回っていました。彼らが実践していたのは、次の4つの戦略です。

  1. 顧客志向の展開(アセットライト化)
    既存顧客からの価値最大化に振り切り、モノ中心からサービス・ソフトウェアへ。資本支出▲50%、売上原価▲25%でEBITマージンを平均8pt改善し、年率9%のTSRに結びつけました。例:シーメンスはSaaSやデジタルツインに軸足を移し、ソフトとデータ起点の収益構造で年率12%のTSRを実現しています。
  2. 粗利重視の高付加価値路線
    コスト削減より「品質・独自性」で粗利を上げるアプローチです。平均で粗利率を12pt改善、年率9%のTSRに貢献。例:モルガン・アドバンスト・マテリアルズは極限環境向け部材で価格決定力を確立し、マージンを倍増させました。
  3. 内製化で稼ぐ(バランスシート活用)
    垂直統合で資産基盤を拡大し、利益プールの取り分を増やします。総資産は倍増、粗利率は平均8pt改善、TSRは年率9%(うち5%はキャッシュフロー起因)。例:ウィットブレッド(プレミア・イン)は自社保有・自社運営・直販を貫き、年率10%のTSRを継続しています。
  4. 配当の“債券化”
    増配競争ではなく、「揺れない配当」を一貫提供。負債資本比率▲30%で財務の柔軟性を確保し、安定キャッシュとバリュエーション拡大(年平均+3%)で超過リターンを実現。例:GATXは1919年から減配なしの実績で、年率12%のTSRを達成しています。

あわせて、人材とイノベーションの設計が要諦です。安定を武器に地域連携・見習い制度・社内マーケットプレイスで学習機会を創り、昇進“だけ”に依存しないキャリア提案を強化します。イノベーションは破壊的狙いに限らず、継続的な小改良を積み上げる文化づくりが効果的です(軽量ボトルやAIコンシェルジュのような既存価値の磨き込み)。

結論として、成長は唯一の答えではありません。ただしマージンにも配当の安定性にも上限・下限がある以上、環境の変化に応じて4戦略を組み替え、成長機会を継続的に点検することが、長期の企業価値を左右します。

詳しくはボストン コンサルティング グループまで。
レポート/DXマガジン編集部

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