三井住友フィナンシャルグループは社内向けAIアシスタント「SMBC‑GAI」にRAG技術を搭載し、約130万件の社内ファイルを体系的にインデックス化しました。まずは三井住友銀行で運用を開始し、従業員が必要な情報へ迅速にアクセスできる環境を目指します。
RAG搭載で何が変わるのか
三井住友フィナンシャルグループが「SMBC‑GAI」に導入したRAG(Retrieval‑Augmented Generation)は、あらかじめ体系化した社内情報を検索し、その参照を基に自然言語で回答を生成する技術です。従来の生成型AIに比べ、参照元に基づく正確性と文脈適合性が高まる点が特徴とされています。今回の導入では社内規程や通達、業務マニュアル等、約130万件に及ぶファイルを対象にインデックス化を行い、「SMBC‑GAI」上で横断検索・参照が可能となりました。まずは株式会社三井住友銀行の従業員向けに提供を開始し、社内の声を反映しながら機能レベルアップを図るとしています。
導入のとして、従業員は単一のインターフェースから必要な情報を迅速に取得できるようになります。RAGにより検索から回答生成まで一気通貫で処理できるため、情報探索の手間を大幅に削減すると期待されます。加えて、回答生成時に参照元を提示する仕組みを備えており、提示された根拠を追跡することで説明性やガバナンス面の担保が図られます。こうした機能は、社内で広く活用されることで業務効率化や意思決定のスピード向上につながる可能性を秘めています。
今回の取り組みは、学習ファイルの量や利用人数において国内企業として最大級の規模に位置づけられる点が注目されます。2023年7月にリリースされた「SMBC‑GAI」は、リリース以降、段階的に機能強化を進めてきましたが、今回のRAG導入により膨大な社内情報を横断的に扱う基盤が整いました。今後はSMBCグループ各社への展開も検討しており、多様な分野での金融AI活用を推進していく計画です。
詳しくは「三井住友フィナンシャルグループ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權






















