ヤマハ株式会社が、ピアノの発音機構を物理シミュレーションでリアルタイム演算し音響信号を生成する新システムを開発しました。試作電子ピアノは浜松市に寄贈され、楽器博物館で公開されます。
物理計算で「音」を作る、技術と寄贈の狙い
ヤマハ株式会社は、ピアノの発音機構をデジタル領域で再現する物理シミュレーション技術を用いた新たな音源生成システムを開発しました。本システムは、ハンマー、ダンパー、弦、響板、フレーム、支柱といったピアノの構成部品に加え、空気の相互作用まで考慮して、鍵盤やペダル操作に応じた音響信号をリアルタイムに生成します。これにより従来のサンプリング方式とは異なる多彩な表現が可能になります。
技術面では、3次元の有限要素法(FEM)および境界要素法(BEM)を用い、ピアノと空気の力学的挙動を数値的に解析する点が大きな特長です。これらの解析をリアルタイムで行い音響信号へと変換することで、物理現象に基づく音の生成が可能となり、演奏表現の幅を拡張します。従来はアコースティックピアノの音を録音して用いるサンプリングが主流でしたが、本システムは機構そのものの挙動を計算で再現します。
ヤマハは、当システムを搭載した電子ピアノの試作機を10月1日に静岡県浜松市に寄贈しました。寄贈された試作機は浜松市楽器博物館で管理され、10月16日から一般公開される予定です。寄贈の目的は、先進的かつ独創的な音響技術の周知と楽器文化の継承にあります。ヤマハは今後も革新的な楽器開発を進め、音楽体験の深化を目指すとしています。
詳しくは「ヤマハ株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權






















