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2027年度本稼働を見据えた準備ポイント TDnetのAWS移行で今から整えるべき体制と手順

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日本取引所グループ(JPX)は適時開示システム「TDnet」を、既存のAWS基盤「J-WS」へ全面移行する計画を明らかにしました。説明責任を最優先に可用性と秘匿性を担保しつつ、J-LAKEを核としたデータ利活用を加速する一手です。

説明責任を軸に進めるTDnetのクラウド移行

JPXは長期ビジョン「Target2030」の一環で、既にAWS上に共通基盤「J-WS」とデータ基盤「J-LAKE」を整備してきました。今回、適時開示情報伝達システム「TDnet」をJ-WSへ移行し、2027年度の本稼働を目指す決断を下しました。TDnetは上場会社の開示手続き完了に直結するミッションクリティカルなシステムであり、24時間365日の稼働や高い秘匿性、集中開示時のパフォーマンス確保が不可欠です。

移行判断で最も重視されたのは「説明責任の確保」です。JPXはAWSと共同でタスクフォースを設置し、インシデント発生時に投資家や行政へどの範囲をどの速度で報告できるかを要件化しました。その検討過程で、2024年10月に開始した「AWS Incident Detection and Response」の日本語対応が進み、運用面のギャップが埋まりつつあります。JPXはクラウド事業者の大規模投資を活用する姿勢を示し、TDnetよりさらにクリティカルな機能のクラウド移行も長期的に検証するとしています。

また、TDnetの移行はJ-LAKEへのデータ集約を促進します。取引データに加え非構造化データの蓄積が進む、証券会社のバックオフィス効率化や、開示資料作成を支援する対話型AI、生成AIとベクトル検索を用いた開示資料検索サービスなど、社内外での新たなデータ活用サービスの基盤が整います。JPXはこれらを通じて市場の情報流通と利便性を高める意図を明確にしています。

TDnetのAWS移行は、単なる技術移行ではなく市場インフラの信頼性を再設計する試みです。説明責任を明文化した点は、他の金融機関にとっても示唆に富むモデルになります。J-LAKEを起点としたデータ流通は業務効率化だけでなく、新しいサービス創出の土台となるでしょう。一方で、運用・監査体制の強化と透明な情報開示基準の維持が継続的に求められます。成功すれば、国内外でのクラウド活用に関する重要なリファレンスとなるはずです。

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