一般財団法人森記念財団都市戦略研究所が発表した「世界の都市総合力ランキング 2025(GPCI 2025)」で、東京が初めて2位を獲得しました。東京は長年トップ3の常連でしたが、今回はニューヨークを抜いて順位を一つ上げ、1位ロンドンとの差も過去最小となりました。評価の背景には、観光地やナイトライフの魅力を示す「文化・交流」、治安の良さや多彩な飲食・小売の充実による「住みやすさ」、都市空間の清潔さや企業の環境対応といった総合的な都市力の向上があるとされています。あわせて発表された分野別では、「金融」分野で東京が前回に続いて3位、「スタートアップ」分野の初回ランキングで9位となり、経済エコシステムの厚みも示しました。東京都は、引き続き世界から選ばれる都市を目指し、さらなる高みを掲げています。
ランキング結果のポイント。東京は9年連続3位から上昇し、上位都市構図に変化
GPCI 2025の上位10都市は、1位ロンドン、2位東京、3位ニューヨーク、4位パリ、5位シンガポール、6位ソウル、7位アムステルダム、8位上海、9位ドバイ、10位ベルリンとなりました。かっこ内の前年順位で見ると、東京は3位から2位へ、上海は11位から8位、ドバイは8位から9位、ベルリンは9位から10位と変動が見られます。東京は2016年から2024年まで9年連続で3位でしたが、今回ついに二位へ浮上しました。上位の顔ぶれは大きくは変わらないものの、スコア差が縮小し、特にロンドンとの差が過去最小となった点は注目に値します。都市の魅力を「人や企業を惹きつける磁力」と定義する同指数の思想に照らせば、文化や生活の質、安全、環境対応など多面的強みの積み上げが順位上昇に寄与したと捉えられます。東京都は今後もレジリエンスや国際競争力の強化に取り組む姿勢を示しています。
文化・交流と住みやすさの評価が押し上げ。安全と清潔さ、環境への姿勢が追い風
発表では、海外旅行者を惹きつける観光地やナイトライフなどの「文化・交流」、治安の良さや飲食・小売の充実といった「住みやすさ」が東京の強みとして挙げられています。街の清潔さや企業の環境への積極的な姿勢も評価に寄与しました。小池都知事は、寿司をはじめとする和食から世界各国の料理までを楽しめる食文化や、都庁舎のプロジェクションマッピング、アニメや漫画、歌舞伎や相撲などのエンターテインメントの多様性を強調しています。加えて、犯罪やテロのリスクが低く、落とし物が戻るほどの治安の良さ、ゴミが少なく清潔な街並みは、快適な都市環境として世界に誇れる要素です。GX技術や金融市場、スタートアップ集積など、経済面のポテンシャルも評価の土台になっています。東京都は危機に強いレジリエントな都市づくりを推進し、安心して暮らせる環境整備を進めています。
実務に効く示唆。企業は東京の磁力を販路と人材の戦略に、自治体は体験価値の磨き上げを
GPCIの順位上昇は、企業にとって採用や拠点戦略、インバウンド戦略の後押し材料になります。採用広報では、安全で清潔、文化的魅力が高い都市で働ける価値を訴求し、海外人材の獲得を強化できます。観光や小売は、ナイトライフや食の多様性といった強みを企画に織り込み、都内回遊の導線を設計すると効果的です。金融やスタートアップ分野の評価を踏まえ、資金調達や事業連携の場として東京を積極活用するのも有効です。自治体や事業者は、清潔さや安全の維持に加え、環境配慮や多言語対応を一段と進め、体験価値を磨き上げることが求められます。イベントや文化施設の夜間活用、回遊施策、混雑分散の工夫も、都市の魅力を実感させる具体策になります。今回の結果は通過点であり、継続的な取り組みがスコア差のさらなる縮小につながるでしょう。






















