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AIは次の軍事覇権を決めるのか?米国防総省が「AI加速戦略」を公表

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米国防総省は、軍事分野での人工知能の優位確保を掲げる「AI加速戦略」を公表しました。狙いは、中国との軍事競争で決定的要素となるAI領域に迅速かつ的を絞った投資を行い、軍事AIの覇権を確立することにあります。ヘグセス国防長官は、実験の精神を解き放ち官僚機構の障壁を取り除き、優位確保に必要な手法を実行すると表明しました。戦略は、ドローン運用や作戦過程でAIが鍵となる「戦闘」、兵器開発における「知性」、生成AIの業務利用など「事業」の三つを重点領域として改革を進めます。AI活用にあたり、米政権が敵視するDEIへの配慮は根絶するとの言及も示されました。

背景には、米国がシリコンバレーを中心にAIの技術と知見を蓄積してきた一方で、軍や政府との連携に課題があるという認識があります。 中国は軍民融合を掲げ、民間技術を軍事領域へ直接つなげる体制を整えています。 米国は新興防衛企業との関係強化を進め、研究開発から配備までのサイクル短縮を図る動きが加速しています。 今回の戦略は、投資の集中と官僚的障壁の除去を両輪に、技術の現場実装を前倒しする姿勢を明確にしました。

「戦闘」領域では、無人機を含む運用や作戦計画でAIを活用し、センサー統合や標的識別、リアルタイム意思決定支援の高度化を想定します。「知性」領域では、兵器の設計、テスト、評価といったライフサイクル全体にAIを実装し、効率と性能向上を狙います。「事業」領域では、生成AIの業務活用を含め、調達やロジスティクス、分析などの組織運営を高度化します。三段階を通じ、研究から運用、事業プロセスまでの一貫したAI導入を進める構えです。

一方で、迅速な実装と安全性や信頼性の両立は課題です。特に戦闘領域での誤認識や誤作動は重大な結果を招きかねず、評価と監督の枠組みが不可欠となります。兵器開発や生成AIの業務利用でも、適切なガバナンスと責任の明確化が求められます。戦略の実効性は、スピード重視と品質・統制のバランスをどのように取るかにかかっています。

民間技術の取り込みは、米国の強みであると同時に課題でもあります。 軍とスタートアップの橋渡しや、調達・認証の迅速化が進むかが焦点です。 AIを軸とした軍事競争が加速する中、今回の戦略が連携の速度と規模をどこまで引き上げられるかは、安全保障環境にも影響し得ます。 政策の継続性と制度改革の実装力が問われる局面です。

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