国土交通省は2028年度にも、大規模オフィスや商業ビルの設計者に対し、発注者への二酸化炭素排出量に関する説明を義務付ける方針を示しました。建設から解体までのCO2排出を算出し、削減策を含めて説明することを求めるもので、木材の活用や脱炭素設備の導入も促します。制度案は20日の審議会で示され、建築物省エネ法の改正を検討した上で導入を目指します。対象は延べ床面積2000平方メートル以上のオフィスや商業ビルの新築や改築で、算出基準は国土交通省が整備します。延べ床面積5000平方メートル以上のオフィスには、国への算出結果の報告義務を課す方針です。開始後5年以内に対象建物の見直しも行われます。
今回の制度は国際基準との整合を重視し、サプライチェーン全体の排出を含むスコープ3に準拠します。建物の一生で生じる環境負荷を評価するライフサイクルアセスメントの考え方を取り入れ、鉄やコンクリート、木材など資材ごとの排出係数を用いて総量を算出します。制度開始当初はコスト上昇の懸念から住宅は対象外とし、まずは業務・商業用の大規模建築での実装を優先します。排出量の算出と削減の取り組みを促すため、削減量などを評価し等級で表示できる仕組みの検討も進めます。これにより、発注段階から環境性能を比較しやすくし、市場におけるインセンティブ形成を図る狙いがあります。
制度の中核となるのは、設計者が発注者に対して定量的な算定結果と削減策を説明するプロセスの義務化です。資材転換や木材利用の拡大、省エネ性の高い設備の採用といった打ち手を明確にし、コストや工期とのバランスを踏まえた選択を促します。加えて、延べ床面積5000平方メートル以上のオフィスの報告義務化により、行政が排出実態を把握し、基準の継続的な改善や対象範囲の見直しに活用することが想定されています。国際的な脱炭素の潮流に合わせ、国内の建築分野でもサプライチェーンを含む排出管理の透明性が高まることが期待されます。なお、対象や算出基準の具体は今後策定され、導入時期は建築物省エネ法の改正プロセスに連動します。





















