国立大学法人千葉大学は、日本全国のインターネット利用者13,367人を対象に生成AIの利用実態を分析しました。利用率は全体の21.3%で、約5人に1人の水準でした。年齢や性別といった個人的要因、学歴や職業などの社会的地位要因、デジタルリテラシーや人とのつながりなどの資源的要因が重なり合い、明確な格差が確認されています。非利用理由は世代で異なり、若年層は「魅力的なサービスがない」、中高年層は「使い方がわからない」「セキュリティへの不安」「利用環境が整っていない」が目立ちました。調査は多変量解析と、複数の非利用理由を同時に扱う統計モデルで実施されています。成果は国際学術誌に掲載され、日本におけるAI格差の全国規模の実態を示すものです。
個人的要因が左右する!年代差と性別差はどこまで大きいのか?
年齢では18〜54歳が75歳以上に比べ約1.4〜1.7倍高い利用率でした。性別では男性が女性の約1.8倍と高く、技術受容の差が数値に表れました。新しいものを受け入れやすい開放性が高い人も利用率が高い傾向です。非利用理由では、若年層は「魅力的なサービスがない」を挙げやすく、中高年層は「使い方がわからない」「セキュリティへの不安」「利用環境が整っていない」が多く選ばれました。男性は「必要性がない」とは感じにくい一方で、「魅力的なサービスがない」や「品質への不安」を理由にしやすい点が特徴です。全体で最も多い非利用理由は「必要性を感じない」39.9%、次いで「使い方がわからない」18.5%でした。
社会的地位要因はどう影響する?学歴・職業・都市居住で差が拡大!
学歴では大学卒が約1.4倍、大学院修了は約1.7倍と高学歴層で利用が進んでいます。職業では学生が約1.9倍、専門職が約1.6倍と高く、日常的に学習や専門業務に触れる層で活用が進展しています。居住地は都市部が約1.3倍で、情報アクセスやサービス環境が影響していることが示唆されます。属性と非利用理由の結びつきは、複数理由を同時に扱うモデルで比較され、学歴や職務、地域環境が重なって利用の偏在を形成している様子が明らかになりました。結果として、教育機会や職務内容、生活環境の差が利用格差の背景となっています。
資源的要因がカギ!人とのつながりとデジタル習慣、リテラシーが利用を後押し!
友人とのつながりが強い人は約1.1倍、ボランティア参加者は約1.2倍と、コミュニティとの関わりが利用を促していました。スマートフォンを毎日使う人は約1.9倍、SNSを毎日使う人も約1.9倍で、日常的なデジタル接触が利用を強く後押ししています。デジタルリテラシーが高いほど利用率は高く、スキルが実装段階での推進力となっていることが確認されました。一方、デジタルリテラシーが低い層では「使い方がわからない」「利用環境が整っていない」「従来の習慣や文化を変えられない」を挙げやすい傾向が示されています。利用可能な資源や能力の差が積み重なり、構造的な格差として現れている点が重要です。
本当に広がるのか?因果は未確定、課題の詳細把握はこれから!
今回の結果は2025年1月時点の観察データであり、因果関係は確定できません。生成AIの利用が特性を形成したのか、特性が利用を促したのかは今後の検証課題です。利用目的の詳細も十分に把握しておらず、情報収集や相談、仕事、学習といった具体的な内訳は今後の評価対象となります。インターネット調査の特性上、日常的にデジタル機器を使わない層が含まれにくく、実際の格差を小さく見積もっている可能性があります。研究成果は国際学術誌Telematics and Informaticsに2025年12月18日に掲載され、全国規模のデータに基づく基礎的知見として意義が位置づけられています。
詳しくは「国立大学法人千葉大学」の公式ページまで。






















