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消費は3年ぶりプラス、食費は6年連続マイナス 家計に広がる“節約とハレ”の二極化

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総務省の家計調査によると、2025年の2人以上世帯の消費支出は物価変動の影響を除いた実質で前年比0.9%増となり、3年ぶりに増加へ転じました。背景には国内旅行など非日常を楽しむハレ消費の回復があり、教養娯楽サービスが伸びたことが寄与しました。一方で、食料品の実質支出は6年連続でマイナスとなり、家計の節約志向が続いています。消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は28.6%と1981年以来44年ぶりの高水準でした。支出割合は高まる一方、物価上昇を織り込んだ実質では減少が目立つという二面性が表れています。

品目別では、コメが前年比6.1%減、パンは4.9%減となり、生鮮魚介2.5%減、生鮮肉2.0%減、生鮮野菜2.0%減と広範に弱さがみられました。コメは購入数量が増えたにもかかわらず、実質の金額伸びは小さく、価格上昇を受けて比較的高価なブランド米を控え、安価品へシフトする動きが広がりました。パンは全ての月で前年割れとなり、原材料高に伴う2025年1月の値上げの影響で買い控えが続きました。こうした食料品の抑制が続く中でも、非日常の支出に向かう傾向が消費全体を下支えしています。

実際に、教養娯楽サービスは3.6%増で、国内旅行などが押し上げました。大阪・関西万博や映画「国宝」などの話題も追い風となりました。外食は1.8%増となり、4年連続の実質増です。娯楽色の強い選択的支出は3.5%増加し、金額ベースでは2020年から6年連続で増えています。コロナ禍で落ち込んだ分野の回復が続いたことが、2025年の支出全体のプラスに寄与しました。結果として、日常の食関連は節約、非日常は回復という対照的な動きが確認できます。

一方で、家計の懐事情は厳しさを残します。2人以上の勤労世帯の可処分所得は実質で2年ぶりにマイナスとなりました。賃上げの広がりで手取りは増えたものの、物価上昇で実質収入は伸び悩みました。可処分所得に対する消費支出の割合を示す平均消費性向は持ち直しているものの、新型コロナウイルス禍前の水準には戻っていません。物価動向を調整した実質賃金も2025年11月まで11カ月連続でマイナスとなり、支出拡大の持続性には課題があります。食料品の実質マイナスが続く現状は、生活コスト上昇下での家計行動の変化を映しています。

今後、食料品を含む消費の本格回復には、実質賃金の持続的な改善が重要となります。エンゲル係数の高止まりは、家計に占める食費の負担感の強さを示すため、価格動向と所得の両面の改善が必要です。2025年にみられた安価品への選好とハレ消費の回復という二極化の継続性が焦点となり、統計の推移が注目されます。

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