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新卒年収1000万円と言われた“データサイエンティスト”、AI時代の今は?

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2010年代後半、「データサイエンティスト」は最も注目される職種の一つでした。ビッグデータの活用が企業競争力を左右すると言われ、データ分析やAI開発を担う専門人材として需要が急拡大。企業によっては新卒でも高年収を提示するケースが話題になり、「21世紀で最もセクシーな職業」と呼ばれることもありました。

しかし近年、生成AIの急速な普及により、「データサイエンティストは不要になるのではないか」という声も聞かれるようになっています。AIが自動でデータ分析を行えるようになれば、人間の分析者は必要なくなるという見方です。では実際のところ、データサイエンティストの需要はどう変化しているのでしょうか。結論から言えば、AI時代になった今も需要はむしろ拡大していると指摘されています。

2030年にIT人材は最大79万人不足

日本では現在、IT人材の不足が深刻な課題となっています。経済産業省の調査によると、日本のIT人材は2030年に最大で約79万人不足する可能性があると試算されています。デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展やAI導入の拡大により、企業のIT需要は急速に増えています。一方で、それを担う人材の供給が追いついていない状況です。

特に不足が指摘されているのが、AIやデータ分析を担う高度IT人材です。AIエンジニアやデータサイエンティストなど、データを活用してビジネス価値を生み出す人材は、多くの企業で不足しています。

AIの登場で仕事はどう変わるのか

生成AIの登場により、データ分析の作業そのものは自動化が進みつつあります。例えば、統計処理や可視化、基本的なモデル作成などはAIツールによって短時間で実行できるようになりました。この変化によって、データサイエンティストの役割は変わりつつあります。

従来のデータサイエンティストは、データを整理し、分析モデルを作り、結果を可視化するまでを担当するケースが一般的でした。しかし現在は、AIを活用した分析が可能になったことで、より上流の業務が重要になっています。

具体的には次のような役割です。

・ビジネス課題をデータ分析に落とし込む設計
・AIモデルの評価や検証
・データの品質管理
・分析結果を経営判断につなげるストーリー設計

つまり、単に分析する人ではなく、AIとビジネスをつなぐ人材としての役割が求められています。

AIエンジニアとの融合が進む

もう一つの大きな変化は、データサイエンティストとAIエンジニアの役割が融合してきている点です。AIモデルの開発・運用(MLOps)やデータ基盤の構築など、分析とシステム開発を横断するスキルが求められるケースが増えています。そのため企業では、従来の「分析専門職」という位置付けから、AIエンジニアやDX人材と一体化した職種として採用を進めるケースも増えています。言い換えれば、データサイエンティストはAIに置き換えられる職業ではなく、AIを使いこなす側の人材へと進化していると言えます。

AI時代ほど必要になるデータ人材

企業のAI活用が進むほど重要になるのが、「データの理解」と「ビジネスへの応用」です。
AIは分析を高速化することはできますが、どのデータを使うべきか、どの課題を解くべきかを決めるのは人間です。さらに、分析結果を経営判断や事業戦略につなげるには、ビジネス理解とデータ活用の両方のスキルが必要になります。

その意味で、AIの普及はデータサイエンティストを不要にするどころか、より高度な役割へと進化させているとも言えるでしょう。かつて「新卒年収1000万円」と話題になったデータサイエンティストですが、その本質は単なる分析職ではありません。AI時代の企業競争を支える、データ活用の中核人材としての重要性は、むしろこれから高まっていく可能性があります。

レポート/DXマガジン編集部

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