政府は、次期マイナンバーカードの導入に向けた検討を進めています。新カードでは、ICチップの暗号化強化やデザイン刷新に加え、電子証明書の更新負担軽減などが予定されており、行政DX基盤の強化につながる可能性があります。デジタル庁の「次期個人番号カードタスクフォース」では、現行カードの課題を踏まえ、セキュリティと利便性の両立を目的とした仕様見直しを進めています。
暗号化レベルを引き上げ 量子計算時代も視野
次期カードでは、ICチップに搭載される電子証明書の暗号方式を刷新します。現行の暗号方式よりも強固な「ECDSA 384」や「SHA-384」などへの移行が検討されており、将来的な量子コンピューター時代も見据えた設計が進められています。また、カード本体の真正性確認機能やセキュアメッセージング機能の追加も検討されており、偽造・なりすまし対策を強化する方針です。
電子証明書の有効期限を10年へ
現在、マイナンバーカード本体は10年有効ですが、電子証明書は5年ごとの更新が必要となっています。次期カードでは、電子証明書の有効期限をカード本体と同じ10年へ延長する方向で検討が進められています。これにより、更新手続きの負担軽減や自治体窓口の混雑緩和が期待されています。なお、18歳未満については現行通り5年更新となる見込みです。さらに、現在4種類ある暗証番号を2種類へ整理する案も示されており、利用者の負担軽減を図ります。
デザイン刷新 「持ちたくなるカード」へ
券面デザインも大幅に見直されます。政府は、偽造防止やユニバーサルデザイン対応に加え、「誰もが持ちたくなる魅力的なデザイン」を目指す方針を示しています。氏名のフリガナ表記追加や、希望者向けのローマ字氏名表記なども検討されています。
行政DXは「デジタル化」から「本人認証基盤」へ
今回の次期カード構想は、単なるカード更新ではありません。これまでの行政DXは、「紙をオンライン化する」「申請を電子化する」ことが中心でした。しかし今後は、“安全な本人認証基盤”そのものを社会インフラとして高度化する段階へ移行し始めています。マイナンバーカードは現在、行政手続きだけでなく、医療、金融、スマートフォン搭載、免許証連携など利用領域を拡大しています。今後、AIエージェントやオンライン本人確認の普及が進む中で、「本人性をどう担保するか」はさらに重要なテーマになります。次期マイナンバーカードは、日本のデジタル社会における“信頼インフラ”の再設計とも言える取り組みになりそうです。
レポート/DXマガジン編集部





















