JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「勇翔2034」の下で、ヒト起点のライフスタイル・トランスフォーメーションを推進する方針を明確にし、AIの利活用を全社で強化します。AIの効果を最大化しつつリスクへ適切に対応するため、新たに「JR東日本グループ AIポリシー」を策定しました。ポリシーは価値創造の攻め、安全と信頼の守り、人財と組織の基盤という考え方で構成され、具体的には7つの要素で示されています。モビリティ事業や生活サービス事業など多様な接点での実装を見据え、継続的な人材育成や管理体制の見直しも位置づけています。生成AIの活用に関しては既存のガイドラインを改訂し、運用と開発の両面でガバナンスを強化しています。社会や技術の変化に合わせて改善を続ける姿勢を打ち出しました。
AIポリシーの全体像 攻めと守りと基盤の三位一体で推進
JR東日本グループは、AIを業務変革と顧客価値創出の中核技術と位置づけ、AIポリシーで実装の原則を整理しています。攻めでは、社会課題や潜在ニーズに向き合い、業務スタイルの変革と新たな体験価値の創出を掲げました。守りでは、ヒト中心の設計と人権尊重を土台に、法令遵守とセキュリティ確保を明記し、安全な利活用を求めています。基盤では、継続的な人財育成とパートナー連携を推進し、管理体制の見直しを適切に進めるとしています。これらを支える具体的要素として七つの柱を設定し、透明性の高い情報提供と説明責任も重視しています。モビリティや生活サービスの現場での適用を意識し、効果の最大化とリスク制御の両立を目指す構成です。
七つの要素 ヒト中心からガバナンス強化までを明文化
要素の第一はヒト中心と人権の尊重で、より多くの人に便益を届ける姿勢を示しています。第二は究極の安全の追求と制御で、人間の判断を介在させる仕組みや予期せぬ動作への安全措置を含む制御を明確化しました。第三はコンプライアンスとセキュリティで、プライバシーや機密情報、知的財産の保護に取り組みます。第四は透明性と説明責任で、目的や効果、安全性に関する情報提供を約束しています。第五はイノベーションと業務スタイル変革で、積極的な活用による価値創出を進めます。第六はAIリテラシー向上と人材育成で、利便性だけでなくリスクや倫理の理解を深める教育を継続します。第七はガバナンスと環境変化への適応で、パートナーにも理解と協力を求め、技術の発展に応じた体制見直しを進めます。
生成AIガイドラインの改訂 利用者と導入開発者の双方を対象に強化
JR東日本グループは、2023年11月に生成AI利活用ガイドラインを策定し、2024年3月に導入や開発時の注意事項を追加した第2版を発行しました。さらに2025年9月の第3版では、利用者向けと導入開発者向けに分割し、導入開発者にはリスクレベルに応じた対策を記載するチェックシートの提出を義務化しました。これにより、生成AIのガバナンス体制を一段と強化しています。利用や導入の流れも整理し、現場での実装に向けた具体的な手順を提示しています。社会情勢や技術の進展に応じ、継続的な改善を進める方針が示されています。モビリティや生活サービスの各領域での生成AI活用において、運用面と開発面双方のルールが明確化されたことが特徴です。
実装に向けたポイント 利活用と安全確保を同時に進める運用設計
AIを活用する業務では、目的と効果を事前に定義し、関係者への情報提供を通じて透明性を担保する設計が重要です。人間の判断を組み込む審査や承認のプロセスを設け、予期せぬ挙動に備えた停止や切替の措置を準備します。個人情報や機密の取り扱いは法令と社内基準を両立し、アクセス管理やログ管理を徹底します。教育面では、AIの便益とリスクの双方を扱う継続学習を実施し、現場のケースに即した訓練でリテラシーを底上げします。パートナーとの連携では、契約やガイドラインの共有により責任範囲と対応を明確化します。生成AIについては、リスクレベル別チェックシートの活用と提出を確実に行い、導入と開発の判断を一元管理する仕組みづくりが求められます。
詳しくは「東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















