転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリア株式会社は、「年代別 転職時の年収変動レポート(2025年度版)」を公表しました。対象は2023年度から2025年度に「doda」エージェントサービスで転職が決定した層で、年代別の決定年収額や転職前後の年収変動を分析しています。全体では平均決定年収が過去3年で約14万円上昇しました。背景には、コロナ禍後の業界変革や新規事業の拡大、AI活用の加速を受けた即戦力や専門人材の採用ニーズの高まりがあります。転職決定者数の伸びが全体で110%だったのに対し、40代は117%と大きく伸び、高年収帯となる決定年収800万円以上の転職決定者も121%に増加しました。慢性的な人材不足のなか、即戦力人材への提示年収の引き上げが平均の押し上げにつながったとしています。
20代の決定年収は約17万円増 3人に2人が年収アップを実現
20代の転職後の平均決定年収は、2023年度の403万円から2025年度には420万円となり、約17万円上昇しました。転職前後の年収差も、2023年度の平均16万円アップから2025年度には平均21万円アップへと拡大しています。転職後に年収が増えた人の割合は61.7%から64.0%へと上昇し、2人に1人を超えて3人に2人の水準となりました。新卒採用難の継続に加え、将来の中核人材の育成や年齢構成の適正化を目的に、20代の採用意欲は高止まりしています。他年代と比べ年収水準が低い層であることから、転職による年収改善余地が相対的に大きい状況が続いています。加えて、AI活用を含む技術やツールへの適応力、主体的に学び続ける姿勢が重視される傾向が示され、スキルの積み上げが年収アップの鍵となっています。
30代は約14万円増 中核人材の獲得に向け環境整備も評価対象に
30代の転職後の平均決定年収は、2023年度の488万円から2025年度に502万円へと約14万円増加しました。転職前後の年収差は平均8万円アップから10万円アップへ伸び、転職後に年収が増えた人の割合も57.0%から58.4%へと上昇し、3年連続の改善となりました。30代は専門性やマネジメント経験を備えた中核人材としての重要度が高く、社内育成の遅れを背景とした採用ニーズが継続しています。年収の上昇幅は20代に比べ落ち着く一方、専門性やマネジメント経験を持つ人材への評価は引き続き高い水準です。採用にあたっては、競争力のある年収提示に加えて、より高度な専門性の獲得機会やマネジメントへの挑戦など、多様なキャリアを築ける環境が選択の要素となっています。
40代は平均決定年収がわずかに減少も、下がり幅は縮小 長期視点の転職が進展
40代の転職後の平均決定年収は、2023年度の563万円から2025年度は559万円となり、約4万円の減少でした。一方で、転職前後の年収差は平均7万円ダウンから6万円ダウンへと下がり幅が縮小しています。加えて、40代の転職決定者数は2023年度比で117%に伸び、全世代で最も大きな増加となりました。転職後に年収が増えた人の割合も半数超で推移しています。決定年収が転職前をやや下回る傾向は見られるものの、管理職候補としての採用など将来的な昇進や昇格を前提に転職するケースがあるため、短期の年収変動のみで評価できない面があります。キャリア後半を見据え、経験や専門性を生かし続けられるか、長期的なキャリア形成や収入向上につながるかといった観点を重視する動きも示されています。なお、2023年度との比較では前職年収との差が縮小しており、即戦力採用ニーズの継続を背景に、今後の平均決定年収の上昇可能性にも言及されています。
データの定義と補足 2026年4月以降の算出変更に留意
本レポートで用いる「転職決定者数」は、2026年4月以降に算出定義が変更されています。2026年3月までに公表済みの資料と4月以降の資料では数値に差異が生じる場合がありますが、全体傾向に大きな影響はないとされています。また、決定年収は採用決定時に企業が個人へ提示する年収を指します。集計対象は「doda」エージェントサービスを利用した転職決定者であり、期間は2023年度から2025年度までの3年間です。各年代の年収動向と転職前後の変化を並列に確認することで、即戦力需要の拡大と年収レンジの動きを捉えやすくしています。高年収帯の拡大、20代と30代の上昇、40代の下がり幅縮小という三つの傾向が、過去3年の特徴として明確になりました。
詳しくはパーソルキャリア株式会社の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















