レバテックは2022年3月3日、転職理由と社員エンゲージメントに関する調査結果を発表しました。ユーザー企業で働くDX担当者200人に聞いた結果です。ITエンジニア、データサイエンティスト、Webデザイナー、UI・UXデザイナー、プロダクトマネージャーが対象です。
DX人材が従業員に占める割合を聞いた結果が図1です。
via leverages.jp
結果は「1割以下」が49.5%で半数を占めました。事業内容に応じた割合が求められることから、高ければいいわけではありません。しかし、ユーザー企業が内製化の体制を構築するには、さらに多くのDX人材を採用する必要があるかもしれません。
転職経験の有無を聞いた結果が図2です。
via leverages.jp
転職経験があるのは67%、なしは33%でした。中途採用などでDX人材を積極的に獲得していることが窺えます。
ではユーザー企業への転職理由は何か。その結果が図3です。
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一番多いのは「事業内容への興味」で21.5%でした。Webサービス企業などに勤めるIT人材が重視しがちな「最新の技術・スキルを習得できる」や「業務の裁量が大きい」を理由に転職した人は少なく、1割以下でした。
現在勤務する企業を友人、知人に勧めたいと思うか。その結果が図4です。
via leverages.jp
「非常に薦めたいと思う」と「薦めたいと思う」を合わせると56%の人が勧めたいと考えていることが分かります。「薦めたいと思わない」と「全く薦めたいと思わない」と合わせた割合は44%でした。
実際に勤務し、どんなやりがいを感じているか。その結果が図5です。
via leverages.jp
「働く環境が良い(リモート可、オフィスの環境が良いなど)」が28.6%でもっとも多く、「福利厚生などの待遇面が良い」(25.0%)、「働き方に柔軟性がある」(25.0%)、「業務の裁量が大きい」(24.1%)が続きます。
特筆すべきは、転職理由の1位だった「事業内容への興味」は1位ではない点です。実際に入社して働いてみないと分からないことが多いとも読み取れます。環境や制度、待遇などを「良いところ」として評価するDX人材が多いことも推察できます。
逆に不満を感じていることは何か。その結果が図6です。
via leverages.jp
結果は、「年収が低い」が50.0%と半数を占めました。友人、知人に薦めたい、やりがいがあると思う人が多い一方で、自身の想定する年収と乖離していることに不満を抱える人は多いようです。
職場へのエンゲージメントが低下する要素の1つに、年収や福利厚生などの待遇があります。転職時に実態が把握しにくい「社内の風通し」の悪さはエンゲージメント低下の一因になりうるものです。こうした不満を解消する施策、体制を整備することがDX人材の離職防止策になりうるかもしれません。