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日本製鉄がローカル5Gの免許取得、室蘭製鉄所で通信状況などの検証開始へ

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日本製鉄と日鉄ソリューションズ(NSSOL)は2021年11月1日、日本製鉄が総務省からローカル5G(4.8GHz帯)の免許を取得したと発表しました。両社はまた、日本製鉄室蘭製鉄所において、製鉄製造現場におけるローカル5Gの適用検証を、2022年1月より共同で開始すると発表しました。検証により、遠隔運転に向けた伝送技術の確立、工場のデジタルツイン化、スマートファクトリー化を推進します。そして、製造現場における5GネットワークによるDXの実現を目指します。

 ローカル5Gは、通信事業者と同様の5G(第5世代移動通信システム)技術による高速無線網を、自社専用に運用する方式です。大量のデータ通信を容量無制限で利用できます。また、社外の通信網を一切通らないことから、極めて高いセキュリティの担保が可能となります。さらに、自ら無線基地局を設置することで、公共無線網では電波の届きにくい場所などを含め、広い敷地内のすみずみまで通信できるメリットもあります。  今回日本製鉄が取得した免許は、4.8GHz帯を用いるSA(スタンド・アロン)構成で、屋外での本格的なローカル5G利用を目指すものです。これは、NSA(ノン・スタンド・アロン)構成と異なり、制御信号に4Gの無線を必要としない、5G単独のシステムです。  また、ローカル5Gの制度上の上限である63Wの出力を可能とするものです。この出力による無線局を、東西3km、南北2kmを超える広大な製鉄所構内に対して適用します。それにより、効率的なエリア構築を目指します。
図1:ローカル5Gの電波照射範囲

図1:ローカル5Gの電波照射範囲

※上図の電波照射範囲は、無線局免許申請時の調整対象区域を図示しています。調整対象区域とは、他の免許人の無線局に影響を与える可能性がある範囲で、重複した場合には出力調整などが必要となります。  日本製鉄とNSSOLは、2020年8月に総務省から「自営等BWA(Broadband Wireless Access)」免許を受けています。「自営等BWA」は、ローカル5Gの4G(LTE)版です。4G無線を用いる自営無線網として、総務省の「ローカル5G導入に関するガイドライン案」で発表されました。  両社は以来、日本製鉄室蘭製鉄所において各種の適用検証を実施してきました。そして、製鉄所構内の電波伝搬、通信速度、応答性などの特性把握を行ってきました。  その適用検証では、帯域幅の上限から4Kカメラの映像伝送や遅延時間に制約があるものの、以下のようなことが確認できました。 ・RTK(Real Time Kinematic)を用いた、高精度測位によるディーゼル機関車の車両表示位置の精度向上。RTKは、地上の基準局(位置が正確に分かっている送信局)からの情報などを用いる測位方法です。一般的なGPS測位よりも高精度な測位が可能となります。 ・NSSOLの現場作業員向けIoXソリューション「安全見守りくん」が、自営無線網で問題なく稼働すること。  2020年末に、ローカル5GのSub6帯(4.6GHz~4.9GHz)の利用が可能となる法律が整備されました。また今回、NSSOLが国内販売代理店であるノキアソリューションズ&ネットワークスにおいて、無線機器の開発が完了しました。そこで自営無線網の第二段階として、ローカル5Gを用いる適用検証に着手するとのことです。  ローカル5Gの適用では、以下のような検証が実施されます。 ・「自営等BWA」で発生した各種の制約が、高速・大容量、低遅延、多数端末接続といった5Gのもとでどのように解消されるのかを確認
・5Gの特徴を活かして、遠隔運転に向けた伝送技術の確立、工場のデジタルツイン化、スマートファクトリー化の推進
・製造現場における5GネットワークによるDX実現  また、室蘭製鉄所で得られた成果に基づき、他製鉄所への横展開、日本製鉄グループ各社の製造現場への展開も検討していきます。

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