パソナグループは2022年3月24日、「ロシアによるウクライナ侵攻の日系企業への影響に関する緊急アンケート」の調査結果を発表しました。アメリカ、フランス、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、インドの10カ国・地域に海外拠点がある日系企業約700社に聞いた結果です。
ロシアのウクライナ侵攻による各国での企業活動やビジネス面での影響はあるか。その結果が図1です。
「影響がある」(20.2%)と「やや影響がある」(34.8%)を合わせると、半数以上の企業が何かしらの影響があることが分かります。国・地域別の結果も聞いています(図2)。
欧州地域のフランスの場合、「影響ある」が76.9%と突出して高い割合です。アジア各国・地域の中では「影響ある」「やや影響ある」を合わせた割合が高いのはマレーシア、シンガポールです。
「影響がある」「やや影響がある」と答えた企業に、いつから影響が出ているか、もしくは今後影響が出るかを聞いた結果が図3です。
「既に影響が出ている」が43.2%でもっとも多くなっています。「1か月以内に影響が出ると予想される」(22.7%)、「3か月以内に影響が出ると予想される」(26.8%)と、近いうちに影響が出ると考える企業も高い割合となっています。
「既に影響が出ている」と答えた企業に、具体的にどんな影響を懸念しているかを聞いた結果が図4です。
「原材料価格の高騰」、「物流コストの高騰」、「エネルギー価格の高騰」が上位を占めます。価格、コスト高が影響する企業が多いようです。どんな商品・商材に影響が出ているのか。主な回答は次の通りです。
・ロシア・ウクライナが輸出量80%を占めるひまわり油や派生品の調達 (製造)
・包材の納期遅延 (小売り・卸売り)
・植物油脂相場の高騰 (製造)
・医薬原料、一般化学品原料、金属などの価格高騰 (製造)
・穀物、青果、水産物、鉄鋼品の輸出入 (商社・貿易・輸出入)
・鉄鋼製品の価格高騰 (製造)
・ガス、原油、石炭の調達と価格の高騰 (製造)
・経済制裁による売掛金の回収問題 (商社・貿易・輸出入)
・製造原価・仕入れ原価の高騰 (製造)
・海上輸送の遅延 (小売り・卸売り)
・ニッケルを多く含む耐熱鋼鋳物 (運輸・流通)
・貴金属原料の高騰、各種化学原料の高騰 (農業)
・ロシア・ウクライナが輸出量80%を占めるひまわり油や派生品の調達 (製造)
・包材の納期遅延 (小売り・卸売り)
・植物油脂相場の高騰 (製造)
・医薬原料、一般化学品原料、金属などの価格高騰 (製造)
・穀物、青果、水産物、鉄鋼品の輸出入 (商社・貿易・輸出入)
・鉄鋼製品の価格高騰 (製造)
・ガス、原油、石炭の調達と価格の高騰 (製造)
・経済制裁による売掛金の回収問題 (商社・貿易・輸出入)
・製造原価・仕入れ原価の高騰 (製造)
・海上輸送の遅延 (小売り・卸売り)
・ニッケルを多く含む耐熱鋼鋳物 (運輸・流通)
・貴金属原料の高騰、各種化学原料の高騰 (農業)
では影響が出ている状況に対し、何かしらの対策を講じているのでしょうか。その結果が図5です。
結果は「いいえ」が65.4%で、「はい」(34.6%)を上回りました。具体的な対策を講じられずにいる企業が6割超を占めています。
対策を講じている企業は具体的にどんな策を講じているのか。その結果が図6です。
結果は「情報収集のみ」が132件でもっとも多くなりました。対策といっても情報収集にとどまる企業が多いようです。一方で「在庫の確保」(79件)、「仕入れ先選定」(57件)と、既存の物流体制を見直す企業も見られます。なお、「その他」と回答した企業の主な対策は次の通りです。
・販売価格への転嫁考慮(商社・貿易・輸出入/シンガポール)
・販売価格見直し (製造/インド)
・値上げ交渉の開始(製造/インド)
・原材料価格に連動した価格設定 (商社・貿易・輸出入/台湾)
・貨物の引き上げと決済早期化(製造/ベトナム)
・サイバー攻撃への対処(通信・IT/ベトナム)
・ロシア顧客との取引条件見直し(商社・貿易・輸出入/香港)
・応札停止 (製造/アメリカ)
・販売価格への転嫁考慮(商社・貿易・輸出入/シンガポール)
・販売価格見直し (製造/インド)
・値上げ交渉の開始(製造/インド)
・原材料価格に連動した価格設定 (商社・貿易・輸出入/台湾)
・貨物の引き上げと決済早期化(製造/ベトナム)
・サイバー攻撃への対処(通信・IT/ベトナム)
・ロシア顧客との取引条件見直し(商社・貿易・輸出入/香港)
・応札停止 (製造/アメリカ)