アルテアエンジニアリングは2022年11月22日、デジタルツインに関する調査結果を発表しました。日本のほか、米国や中国、英国、韓国など10カ国の技術者など2007人に聞いた結果です。デジタルツインの国別の活用状況、重要度などを聞いています。
デジタルツイン技術を活用しているかを国別に聞いた結果が図1です。
「中国」がもっとも高く94%を占めます。「インド」(92%)、「アメリカ」(75%)と続きます。「日本」は59%で、調査対象である10カ国中9番目の割合です。
デジタルツイン技術はどの程度重要かを聞いた結果が図2です。
「重要(とても重要、やや重要を含む)」と答えた割合は、「中国」では100%でした。「日本」は95%です。調査対象である10カ国に限ると、デジタルツイン技術に対する意識に大差がないことが読み取れます。
デジタルツイン技術を採用する時期を聞いた結果が図3です。
「わからない」(62%)を除くと、「今後1~2年以内のいずれか」と「今後3年以内またはそれ以降のいずれか」がともに12%で高い割合を占めています。「今後2カ月以内またはそれよりも早い時期に」と回答した割合は0%でした。
なお、「わからない」と答えた割合を国別で示したのが図4です。
結果は「日本」が62%で、他国より突出して高くなっています。日本では他国に比べ、デジタルツインがすぐに必要な技術だと考える企業が少ないことが推察されます。
■調査概要
調査期間:2022年5月4日(水)~5月24日(火)
調査機関:アトミックリサーチ
調査方法:オンラインによるアンケート調査
調査対象:米国、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、スペイン、英国の10カ国が対象。データサイエンス、IoT、分析、ソフトウェアエンジニアリング、研究開発、エンジニアリング、情報技術(IT)および情報システム(IS)、製品開発、経営管理に関連する職務に従事する2007名。
調査期間:2022年5月4日(水)~5月24日(火)
調査機関:アトミックリサーチ
調査方法:オンラインによるアンケート調査
調査対象:米国、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、日本、韓国、スペイン、英国の10カ国が対象。データサイエンス、IoT、分析、ソフトウェアエンジニアリング、研究開発、エンジニアリング、情報技術(IT)および情報システム(IS)、製品開発、経営管理に関連する職務に従事する2007名。
あわせて読みたい編集部オススメ記事
Cellid、ARを使って取得した3次元位置情報をリアルタイムにデジタルツイン環境へ – DXマガジン
ARグラス用のディスプレイモジュールなど、AR(拡張現実)技術関連の製品を手掛けるCellidは2021年10月1日、大林組の建設現場において、独自開発のAR技術「Cellid SLAM」を用いて取得した3次元位置情報を、施工デジタルツイン環境にリアルタイム統合する実証実験に成功したと発表しました。建設現場にいる複数作業員のヘルメット装着カメラ映像から、3次元位置情報を正確に推定します。その情報が、大林組の施工デジタルツイン環境にリアルタイム反映されたことを確認できました。
デジタルツイン – DXマガジン
デジタルツイン(DigitalTwin)は、IoTなどで収集したデータを活用し、現実世界にあるモノや空間を仮想世界上に再現する技術です。 IoTで収集した実データに基づいたシミュレーションを実施できるのが特徴です。例えば生産機器を仮想世界上に再現した場合、IoTを使って機器の稼働時間や負荷、部品の摩耗具合などを収集し、それらデータから故障する時期を予測することができます。稼働時間をあと何時間増やせば、故障時期がどれだけ早まるのかなどをシミュレーションできます。実際の生産機器を使ってシミュレーションする必要がないため、生産ラインに影響を与えない、実データに基づく高精度な予測が可能などのメリットがあります。生産ライン全体を仮想世界上に再現すれば、より緻密な生産計画の立案や、製造機器の買い替え時期の予測も可能です。5GやVRと組み合わせれば、仮想世界上で実施したシミュレーション結果を、製造現場でほぼリアルタイムに確認できるようになります。 なお、海外では都市全体を仮想世界上に再現し、交通渋滞の予測や災害時の被害状況把握などに役立てる動きもあります。