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雨・雲・雷などの気象予測を3D化するアプリをANA、エムティーアイ、JAXAの3社が共同開発、航空機の安全な運航を目指す

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全日本空輸(ANA)、エムティーアイ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の3社は2021年7月27日、3D気象可視化技術を活用した気象情報アプリ「3DARVI」(スリーディーアーヴィー)の運用を2021年8月より開始すると発表しました。同アプリは、ANAのオペレーションノウハウと、エムティーアイの3D気象可視化技術、JAXAの被雷危険領域(誘発雷)予測技術を搭載しています。3DARVIは、気象現象・予測を3Dで可視化することで、迅速な情報把握を可能にするというものです。それにより、航空機の安全かつ効率的な運航の実現を目指します。

 ANAでは、運航乗務員や運航管理者が、文字情報や各種天気図などの2次元(2D)の気象情報を、立体的に捉えながら業務に取り組んでいます。  一方、エムティーアイは、気象現象を3Dで可視化する技術のノウハウと、容量の大きい3Dの気象データをリアルタイムに配信する技術を有しています。コンテンツ配信・ヘルスケア事業などを幅広く展開するエムティーアイではそれらの技術をもとに、航空気象システム「ARVI」(アーヴィー)を提供しています。  ARVIは、雨雲や雪、風、火山、台風など、航空機の運航に影響を与える気象・災害情報と、フライトプランを、1つの画面でまとめて確認ができるシステムです。すでに、国内のエアラインに導入され、活用されています。  今回の「3DARVI」アプリは、ANAのオペレーションノウハウと、エムティーアイの3D気象可視化技術を活用したARVIを融合したものです。  3DARVIでは、航空機の運航に影響のある雨・雲・気温・雷などの気象現象が、立体的な3Dで可視化されます。そのため、直感的かつ迅速な情報の把握が可能になります。運航に影響のある悪天候を回避することができるため、安定的な運航ダイヤの維持や、乗客のための快適な運航の提供が可能になります。  なお、被雷危険領域・雨・雲の3D画像については、エムティーアイが意匠登録出願中です。
図1:気象現象を3Dで可視化(エムティーアイ)

図1:気象現象を3Dで可視化(エムティーアイ)

 今回の3D気象可視化における特徴として、JAXAが開発を行っている「被雷危険性予測技術」を活用したことが挙げられます。これは、過去の航空機被雷実績と、気象データの分析によって、航空機被雷が発生し得る領域を予測するもので、発表によれば世界初の技術です。  JAXAでは、3年以上にわたり、気象データを収集し分析してきました。そのデータを通して得られた知見を基に、航空機被雷が発生する危険性が高い領域を検出する技術を開発しました。この技術をもとに、JAXAとエムティーアイは、2019年11月より航空機の被雷回避に向けた共同研究を実施しています。そして、被雷予測エリアの可視化に成功しています。  今回、その情報に、ANAオペレーションの知見が加味されました。それにより、被雷可能性が高いエリアをより高い精度で特定して、実際の運航に活用できるよう、アルゴリズムの調整が行われました。そのアルゴリズムによって導き出される被雷の可能性の高いエリアを、エムティーアイの3D表示技術を利用して可視化すると同時に、リアルタイムで算出することに成功したとのことです。その結果、被雷回避による最適な運航ルートの選択が可能となりました。

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