東京大学発のLocationMindが経済産業省の大型実証に採択されました。サウジアラビア、UAE、カタールの3カ国を対象に、GPSビッグデータとビーコンを組み合わせた位置情報AIで観光人流の可視化と旅ナカ広告の効果検証を3年間で実施します。日本の観光DXを国際舞台へ押し上げる挑戦です。
位置情報AIで変える観光DXの実証設計
LocationMindは、経済産業省が公募した「令和6年度補正 グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証 非ASEAN加盟国)」に採択され、サウジアラビア王国、アラブ首長国連邦、カタール国の3カ国を対象とした大型実証事業を開始します。本事業は交付決定日から概ね3年間を想定し、観光に特化した位置情報AIの開発と、インバウンド人流調査、広告施策、旅ナカ広告の実施・効果検証を柱とします。
具体的には三つのAIモジュールで構成されます。全土分析AIはスマートフォンのGPS由来の位置情報ビッグデータを用いて主要観光地の人の流を大規模に解析し、その可視化結果をマーケティング施策立案へとつなげます。誘致AIは世界中と対象国内で観光関心の高いターゲットを選定し、効果的な誘致施策を投下します。旅ナカAIでは観光資源にBluetoothビーコンを設置して実際の来訪を検知し、アプリ経由でプッシュ広告を配信するなど旅先での消費を喚起します。
事業の社会的インパクトとしては、国を跨いだ大規模な位置情報データ活用の先進事例を創出する点が挙げられます。観光業の高成長を掲げる対象国側の目標達成をデジタル施策で後押しすると同時に、Cookieに代わる技術候補として位置情報AI領域での早期優位獲得を目指します。さらに、日本企業が世界的なデータ取得で遅れをとる課題を補い、研究開発基盤とデータ収集能力を強化する狙いも明確です。
LocationMindの代表取締役・桐谷直毅氏は採択を受け、「中東市場は人口・経済とも高成長であり、本件は当社の中東進出に向けた大きな契機」と述べています。同氏はまた、AI分野の先行投資や国をまたぐデータ連携の難度を指摘しつつ、本プログラムが同社の大規模かつ革新的な挑戦を可能にしたと強調しています。 対象国の観光業や広告事業者と連携しながら実証と事業化可能性を検証し、アウトバウンド関係事業者への還元も視野に入れる計画です。想定されるビジネスモデルは、人流解析によるターゲティングと旅ナカ広告の効果検証を組み合わせた広告・マーケティングサービスの展開であり、実証結果次第で現地事業者との提携やサービス提供拡大を目指します。 本実証は位置情報を軸に観光DXの実践モデルを国際規模で検証する希有な試みです。成功すれば、観光マーケティングの在り方に新たな標準を提示する可能性があります。
詳しくは「LocationMind株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部






















