Sansanは2022年9月28日、企業の受発注業務に関する調査結果を発表しました。受注業務を担当するビジネスパーソン、1065人を対象に、紙やFAXを使った業務の実態を聞いています。
取引先から注文書をどんな方法で受け取っているのかを聞いた結果が図1です。
「メールPDF添付」と回答した人がもっとも多く63.7%を占めています。一方で電子化せず、「FAX」(47.7%)、「郵送」(42.7%)といった従来の方法で受け取ってる企業も多いことが分かります。
注文書をFAXで受け取っている人は、勤務先でリモートワークを推奨しているのか。さらに、リモートワークであるにも関わらず、FAXを確認するためにオフィスに出社したことがあるかを聞いた結果が図2です。
前問で「FAX」と答えた人のうち、リモートワークを推奨する割合は38.7%を占めます。さらにリモートワークが推奨ながら、FAXを確認するために出社したことがある割合は58.4%でした。半数以上の人がリモートワーク推奨であるにもかかわらず、FAXを確認する目的で出社していることが分かります。
では注文書に関する業務を電子化したいか。その結果が図3です。
「そう思う」(35.3%)、「どちらかというとそう思う」(37.8%)を合わせると73.1%の人が電子化を望んでいることが分かります。なお、「すべて電子化している」と答えた割合は4.5%にとどまりました。
取引先が、注文業務を支援するデジタルツールを導入する割合はどの程度か。さらに取引先に応じて複数のデジタルツールを使い分けているのか。こうした運用が手間だと感じるかを聞いた結果が図4です。
図4:あなたの勤務先の取引先企業は、発注業務においてデジタルツールを導入していますか。/あなたの勤務先は、取引先によって複数のデジタルツールを使い分けて受注業務を行っていますか。/あなたは、取引先によって複数のデジタルツールを使い分けることを手間に感じますか。
まず、取引先がデジタルツールを導入する割合は60.2%でした。こうしたデジタルツールを活用する取引先がいる場合、取引先に応じて複数のデジタルツールを使い分けている割合は73.8%でした。多くの企業が、取引先が使用する受発注システムなどを使い分けて運用していることが分かります。こうした運用を手間だと「感じる」人の割合は34.5%。「どちらかというと感じる」(46.9%)を合わせると、81.4%の人が手間と受け止めています。
2022年1月に施行した電子帳簿保存法では、請求書や見積書に加えて注文書も電子保存の対象になります。発注業務担当者は、注文書も対応することを知っているのかを聞いた結果が図5です。
「知っている」が57.9%を占める一方で、「知らない」が42.1%と多い割合を占めています。
注文書に関する電子帳簿保存法への対応状況はどうか。その結果が図6です。
「対応に取り組んでいる」が40.4%で、もっとも多くを占めました。「対応方法を検討している」(16.4%)と合わせると6割近くの企業が現在対応中であることが分かります。「すでに対応している」と答えた割合は27.9%と、3分の1以下でした。
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