帝国データバンクは2023年5月2日、人手不足の動向に関する調査結果を発表しました。2023年4月時点で、正社員と非正社員の人手不足の割合や、人手不足の業種別の割合などを調査しています。
人手不足の割合の年次推移を示しているのが図1です。正社員と非正社員の推移を示しています。
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2023年4月時点で、正社員が人手不足だと感じている企業は半数超えの51.4%でした。前年の4月時点と比べて5.5ポイント増加しています。2012年の調査開始以降でもっとも高い割合となっています。なお、非正社員が人手不足だと感じる企業は30.7%でした。
正社員の人手不足を感じる業種はどこか。業種別の人手不足の割合を示した結果が図2です。2021年、2022年、2023年の推移を示しています。
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もっとも多いのは「旅館・ホテル」で、人手不足と感じる企業は75.5%に上ります。コロナ禍だった2021年4月の23.5%から大幅に増えています。2位は「情報サービス」で74.2%でした。実際に企業からは「案件が多いものの人手が足りない、という状況が継続している」(ソフト受託開発、神奈川県)などの声がありました。
なお、2024年4月から時間外労働の上限規制が設けられることで“物流2024年問題”として注目される「運輸・倉庫」は63.1%と高い値を示しています。レジャーシーズンの到来やビジネス需要の高まりが背景にあると考えられる「リース・賃貸」は60.7%も人手不足と感じる割合が年々増えています。
非正社員が人手不足だと感じる上位10業種を表したのが図3です。
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「飲食店」がもっとも多く、85.2%となっています。飲食店の場合、パートやアルバイトなどの非正社員が就業者全体の7割以上を占めていると言われます。コロナが落ち着きつつある今も、就業者数がコロナ前まで回復していない状況が続いていると推察できます。2位は「旅館・ホテル」(78.0%)、3位は「飲食料品小売」(58.7%)、4位は「娯楽サービス」(47.2%)でした。
なお、「旅館・ホテル」と「飲食業」の人手不足の割合を月次推移で示したのが図4です。
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「飲食店」の非正社員が不足している企業の割合は85.2%で、以下、「旅館・ホテル」の非正社員(78.0%)、「旅館・ホテル」の正社員(75.5%)、「飲食店」の正社員(61.3%)の順で高くなっています。特に旅館・ホテルの人手不足について、企業の中には「新型コロナ禍で抑制されていた人流の活性化や旅行支援、イベントやスポーツ大会の正常化などで高稼働の状況が続くが、人手不足で十分な対応ができない」(大分県、旅館)との声がありました。
調査を実施した帝国データバンクは、訪日外国人客の更なる増加が期待される中、外国人労働者などの活躍による人材確保やDXなどによる合理化投資が急がれると分析しています。
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