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博報堂DYグループとHolotch、“立体動画”で能の舞台を実験配信

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博報堂DYホールディングスとHolotch(ホロッチ)は、2021年7月7日、物理的に離れた空間で、ボリュメトリックビデオ(立体動画)を双方向でリアルタイム配信する実験を実施したと発表しました。米国デラウェア州に本社を持つホロッチは、ボリュメトリックビデオをリアルタイムに撮影、配信する基礎技術を開発しています。同実験は、持ち運び可能な機材を用いた、ボリュメトリックビデオの撮影やリアルタイム配信における、現状の技術と運用の課題を明らかにすることを目的にしたものです。

 新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、演劇や音楽、スポーツなどのエンタテインメント領域では、実空間に集まってのイベント開催が困難になっています。その代替手段として、ライブ配信への需要が高まっています。そして、より臨場感や実在感を伴った映像体験を可能にする技術として、「ボリュメトリックビデオ」への注目も集まっています。  ボリュメトリックビデオ(Volumetric Video)とは、実際の物理空間を、3次元(3D)の立体映像として記録した、実写の立体動画をいいます。以下のような形で鑑賞できます。 ・目の前に投影された映像を、スマートフォンやARグラスを介して、自由なアングルから鑑賞
・記録した空間(人や物や出来事を含む)を、別の空間においてそのまま再生し、それらをVRゴーグルを装着するなどして鑑賞  5Gや、VR、ARなどのXR技術の普及とともに、「バーチャルライブ」などイベント業界での活用だけでなく、バーチャル空間での接客シーン、遠隔地にいる友人との会話シーンなど、次世代のコミュニケーション手段としても今後の活用が期待されています。  今回、博報堂DYホールディングスとHolotchは、ボリュメトリックビデオを双方向でリアルタイム配信する実験を実施しました。同実験は、博報堂が運営する研究機関「UNIVERSITY of CREATIVITY(ユニバーシティ・オブ・クリエイティビティ、略称:UoC)」での、新しい次元の感動体験を探究する活動と連携して行われました。  実験では、約9.5メートル離れた2つの舞台にそれぞれ立った能演者のボリュメトリックビデオを、リアルタイムに相互のステージに配信しました。そして、鑑賞者は、スマートフォンやXRグラスを介して、1つの能舞台を鑑賞できるという、実験的な体験を構築しました。実験は、Holotchおよび、能が持つ身体性やAR/VRとの融合を探究するプロジェクト「NOH&」(能楽師・安田登氏主宰)の協力のもと行われました。
図1:ボリュメトリックビデオで能の演者がバーチャル共演

図1:ボリュメトリックビデオで能の演者がバーチャル共演

 通常、高品質なボリュメトリックビデオの撮影には、専用のスタジオが必要であり、リアルタイム配信・鑑賞にも高価な専用機材が必要です。しかし、今回の実験では、持ち運びが可能な機材セットと、一般的なタブレット端末で実験を行いました。それにより現状の技術的課題を明らかにしました。同時に、実際のイベントを想定した際に、運用面で必要となる体制や、ボリュメトリックビデオ撮影時の機材配置やオペレーション確認も実施しています。  今回の実験により、以下のようなことが示唆されました。 ・持ち運び可能な小型機材によるボリュメトリックビデオの撮影・リアルタイム配信・鑑賞体験が可能であること
・今回のような能の上映のみならず、コミュニケーション領域やエンタテインメント領域におけるボリュメトリックビデオ活用を通じた新たな体験創造の可能性  新たな体験創造の可能性としては、以下のような例が挙げられています。 ・通話時に、相手と目の前の空間で向き合いながら話せるようになる次世代のビデオ電話
・遠隔地同士をつないだライブデュオコンサート
・テニスやバレーボールのような、ネットを挟んで対戦するスポーツ競技  博報堂DYホールディングスでは、今回の実験結果を踏まえ、今後もボリュメトリックビデオの活用を通じた生活者の次世代体験創出に向けた研究を進めていくとしています。

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