MENU

ニュース

IT技術職は“理系の仕事だと思っていた”が文系卒も同程度、ただし女性は文系が多いなど男女差も明らかに/Indeed Japan調べ

  • URLをコピーしました!

求人検索エンジン「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japanは2022年3月24日、「IT技術関連職におけるジェンダーギャップ」に関する調査の結果を発表しました。調査は、現在IT技術関連職に就いている20代~40代の男女各721名(計1,442名)を対象に実施されました。3月8日の国際女性デーに合わせ、日本で特に女性の就業割合が少ない現状にあるIT分野に着目したものです。IT技術関連職におけるジェンダーギャップの実態や、女性が活躍することのメリットなどが調査されました。

 今回の調査の概要は、以下の通りです。 <IT技術関連職における男女格差に関する実態調査>
・調査主体:Indeed Japan
・調査対象:現在IT技術関連職に就いている20代~40代の男女各721名(計1,442名)
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2022年3月7日~3月9日  主に以下のような項目について、調査が実施されました。 1. IT技術関連職の職場における男女比の実態
2. IT技術関連職に就くまでのジェンダーギャップの実態
3. IT技術関連職に就業した後のジェンダーギャップの実態
4. IT技術関連職で女性が活躍することのメリット
 以下に調査結果の詳細を説明していきます。 1. IT技術関連職の職場における男女比の実態
●全体の73.2%が、男性が6割以上を占める職場にいる
 まず、現在IT技術関連職に就いている回答者に、所属しているチームや部署の男女比について聞きました。その結果は以下のような数字となりました。 ・全員男性:4.7%
・男性9割:15.5%
・男性8割:18.8%
・男性7割:21.2%
・男性6割:13.0%  上記を合わせて、全対象者の73.2%が、男性が6割以上を占める職場にいることが分かりました。これまでの各種調査結果と同様に、IT分野における女性の就業率が低いことが、今回の調査からも明らかになりました。
図1:「所属チームや部署の男女比」/Indeed Ja...

図1:「所属チームや部署の男女比」/Indeed Japan調べ

2. IT技術関連職に就くまでのジェンダーギャップの実態
​ IT技術関連職に就くまでの間に、性別による意識や状況の違いはあるのでしょうか。以下の項目が調べられました。 ・高校時代にIT技術関連職に対してどのように思っていたか
・高校時代のIT技術関連職への興味関心 ●高校時代、「理系の人が就く仕事だと思っていた」は60.3%。しかし最終学歴では、理系文系ほぼ同等、ただし男性は理系出身者、女性は文系出身者が多い
 IT技術関連職は「理系の人が就く仕事だと思っていた」かどうかをたずねました。その結果、全体の60.3%が、理系の仕事であるというイメージを抱いていたことが分かりました。内訳は以下の通りです。 ・「あてはまる」:24.1%
・「ややあてはまる」:36.2%  男性では59.7%、女性では60.9%と男女差はほぼ見られませんでした。一方で、今回の調査で回答者の最終学歴をたずねたところ、次の図の結果となりました。
図2:「最終学歴における文系・理系の比率」/Indee...

図2:「最終学歴における文系・理系の比率」/Indeed Japan調べ

 全体ではほぼ同等でしたが、男女別に見ると、男性は理系出身者が多く、女性は文系出身者が多いという結果でした。 ●「男性のほうが活躍しやすい仕事だと思っていた」のは、女性にその傾向が顕著(男性38.8%に対し女性53.7%)
 「男性の方が活躍しやすい仕事だと思っていた」かどうかをたずねたところ、全体の46.1%が、そのイメージを抱いていたことが分かりました。内訳は以下の通りです。 ・「あてはまる」:16.5%
・「ややあてはまる」:29.6%  ただし、以下のように、女性のほうが14.9ポイント高い結果となりました。 ・男性:38.8%(あてはまる:12.8%/ややあてはまる:26.0%)
・女性:53.7%(あてはまる:20.3%/ややあてはまる:33.4%)  また、高校時代のITに関する興味関心についてもたずねたところ、以下のような男女差が見られました。 ・「プログラミングに興味を持っていた」:男性52.6%/女性38.4%
・「IT技術関連の仕事に興味を持っていた」:男性53.4%/女性43.8%  男性のほうが女性よりも、早い段階から現在就いている仕事とそれに関連する技術に興味を持ち始めていた傾向が高いと推察されました。 3. IT技術関連職に就業した後のジェンダーギャップの実態
●「自身の性別によるメリットを感じたことがある」は、男性34.5%、女性36.8%でほぼ同じ結果に

 IT技術関連職に就いた後に自身の性別によるメリットを感じたことがあるかについてたずねた結果は、以下のようになりました。 ・「メリットを感じたことがある」「ややメリットを感じたことがある」と回答:男性34.5%/女性36.8%  ほぼ同じ結果になりましたが、その内容については、男女間で異なる傾向が見られました。
図3:「仕事上、自身の性別によって感じたことのあるメリ...

図3:「仕事上、自身の性別によって感じたことのあるメリット」/Indeed Japan調べ

 性別による特徴として、男性は仕事のやりがいや評価につながる回答、女性は理解や配慮を得やすい回答という傾向が見受けられました。 ●「自身の性別によるデメリットを感じたことがある」は、男性25.9%、女性36.5%で女性が10.6ポイント高い結果に
 一方、自身の性別によるデメリットを感じたことがあるかについてたずねたところ、以下のように女性のほうが10.6ポイント高い結果となりました。 ・「デメリットを感じたことがある」「ややデメリットを感じたことがある」と回答:男性25.9%/女性36.5%  デメリットの内容についても、男女間で異なる傾向が見られました。男性の回答では、以下が上位となりました。 ・1位「労働時間が配慮されにくい」:35.3%
・2位「業務量が配慮されにくい」:31.6%
・3位「体調不良など休暇取得の際に理解を得にくい」:25.7%
・4位「勤務場所が配慮されにくい」:23.5%  適正な労働のための配慮や理解を得にくいと感じている人が多い傾向が見受けられました。一方で、女性の回答では以下が上位となりました。 ・1位「昇進・昇格しにくい」:32.3%
・2位「給料が低い・昇進しにくい」:29.7%
・3位「仕事をまかせてもらいにくい」28.9%
・4位「実力で評価されにくい」:27.4%  1、2、4位の結果からは、仕事の評価に対する男女格差を感じている傾向が高いことが分かりました。また3位の結果では、仕事の裁量権ややりがいについての男女格差の存在もうかがえるとしています。 ●仕事における困りごとの1・2位は男女共通、その次は性差による特徴が見られる
 さらに、現在の職種に就いてから経験した困りごとについて聞きました。その結果、男女ともに1、2位は同じ回答となりました。 ・1位「急ぎの仕事が多い」:男性36.1%/女性34.1%
・2位「長時間残業が常態化している」:男性30.5%/女性26.5%  この結果から、IT技術関連職の共通課題が浮き彫りになりました。
図4:「現在の職種に就いてから経験した困りごと」/In...

図4:「現在の職種に就いてから経験した困りごと」/Indeed Japan調べ

 3位以下は、男女間で異なる傾向が現れました。自身の性別によって感じたデメリットをたずねた結果と同様の傾向が現れており、男性は労働時間に対する柔軟性に対して、女性は仕事の裁量権・やりがいに対して、困った経験のある人が多い傾向にあると分析されました。 4. IT技術関連職で女性が活躍することのメリット
●子供・子育てを理由にした「休暇を申請しやすい」「勤務時間の調整がしやすい」と感じる割合が約半数

 女性がIT技術関連職で働くことによるポジティブな面は何でしょうか。女性の就業を考えるにあたって、IT技術関連職における「育児との両立のしやすさ」についても調査を行いました。他の職種と比べてIT技術関連職のほうが、育児と両立しやすいと思うかをたずねたところ、以下の結果となりました。 ・「子供・子育てを理由にした休暇を申請しやすい」:48.8%
・「子供・子育てを理由にした勤務時間の調整がしやすい」:46.0%
・「産休・育休などの長期休暇から戻ってきても復職しやすい」「未就学児がいる場合、業務上適切な配慮をしてもらいやすい」:41.5%  これらの考えには男女間でそれほど大きな差は見られませんでした。IT技術関連職においては、「急ぎの仕事」や「長時間労働」に対する課題が起こりやすい一方で、育児といった理由がある場合に仕事の柔軟性を得られやすいという特徴があるといえそうです。 ●女性が活躍すると「多様な視点で事業の開発・推進ができる」「多様な働き方が許容されるようになる」と考える人が約6割
 女性の就業率が低いことが1つの課題となっているIT分野において、女性の活躍が増えると何が起こるのでしょうか。女性が増えることで、IT技術関連職や業界全体にどのようなメリットが生まれると思うかを聞きました。  「多様な働き方が許容されるようになる」と思う回答者は、全体の59.6%(男性55.0%/女性64.2%)でした。同様に、「多様な視点で事業の開発・推進ができる」と思う回答者は、全体の57.1%(男性56.3%、女性57.9%)でした。  なお今回の調査では、下記業務に従事している人を「IT技術関連職」と総称しています。 ・デジタルビジネスに関するシステム設計や実装(テックリード、エンジニアリングマネージャー、アーキテクトなど)
・事業・業務に関連したデータ解析・分析(データサイエンティストなど)
・機械学習、ブロックチェーンなどのデジタル技術関連(先端技術エンジニアなど)
・デジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザイン(UI/UXデザイナーなど)
・システムの実装やインフラ構築・保守(エンジニア/プログラマーなど)

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 日本オムニチャネル協会
  • 株式会社デジタルシフトウェーブ

メルマガ登録

メールアドレス (必須)

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる