Schooは、社会人向けオンライン学習サービス「Schoo」の受講データを調査・分析し、「リスキリングの傾向まとめ〜2024年上半期の社会人学習の変化〜」および「2024年上半期の人気授業ランキング」を発表しました。
調査結果によると、リスキリングは現代の社会人にとって重要なトピックであり続けています。Schooの会員数は2023年末の約100万人から2024年6月時点で約112万人に増加しており、社会人学習の需要の高まりが伺えます。
2024年上半期のSchooユーザーの学習傾向として、昨年人気だった「PCスキル」に代わり、「コミュニケーション術」に関する授業が上位にランクインしました(図1)。その他、「AI」関連の授業が引き続き人気を保ち、「投資」をテーマとする授業が初めてTOP3にランクインするなど、「コミュニケーション術」、「AI」、「投資」の3つのテーマが社会人学習の主要な関心事項であることが明らかになりました。
また、年代別の学習傾向を見ると、AIに関する授業の人気が年齢とともに高まっており、特にミドル・シニア層でその傾向が顕著です(図2)。
2024年上半期には「コミュニケーション術」の授業が特に人気を集めた背景には、4月からの新しい環境での人間関係構築が挙げられます。また、AI活用やデジタルトランスフォーメーション(DX)が広がり、AIができることと人間がすべきことの理解が進んだことで、コミュニケーション術をはじめとするヒューマンスキルが改めて重視されるようになったと考えられます。
一方、投資に関する授業がTOP3にランクインした背景には、新NISAの開始や続く円安・物価高による生活不安が影響しています。30代以降のすべての年代で「投資」が人気カテゴリに入っており、投資に対する関心が広がっていることが伺えます。
年代別の学習傾向を詳細に見ると、新社会人を含む20代では「ビジネスマナー」や「PCスキル」といった基礎的なビジネススキルの授業が人気上位を占めました。一方、30代以降では「コミュニケーション術」の授業が最も人気です。特に50代以上のミドル・シニア層ではAIに関する授業の人気が高く、60代以上では人気TOP10のうち3つがAI関連の授業となっています。これは、若い世代に比べてAIに対する苦手意識や抵抗感があったシニア層が、AIの活用方法を学ぶためのニーズが高いことを示しています。
2024年上半期の人気授業ランキングでは、個人受講と法人研修受講の両方で「コミュニケーション術、仕事術、モチベーション管理」の3つのテーマが人気を集めています(図3)。個人受講の第1位は「『まわりくどい』を脱する3秒の伝え方」、法人研修受講の第1位は「『自分は大丈夫。』な人ほどやりがちなセキュリティのNG行為」でした。個人受講と法人研修受講の第2位は「『何が言いたいのかわからない』と言われなくなる(ひと言でまとめる技術)」でした。