MENU

人の業務の90%はAIに置き換わる!AI導入で成立する新たなビジネスモデルを模索せよ

  • URLをコピーしました!

DXマガジンは2023年10月4日、定例セミナーを開催しました。今回のテーマは「本気でAIを活用する~人とAIの役割分担を考える~」。目覚ましい進化を遂げるAIは今後、人に代わって業務の担い手となるのか。人手不足が加速する中、企業は本気でAIに業務を任せてよいのか。AIが急速に台頭するようになった今こそ、企業はこうした議題に真剣に向き合うことが求められています。そこで今回のセミナーではAIの現状を把握するとともに、これからのAIとの付き合い方を考えました。

当日のセミナーの様子を動画で公開しています。ぜひご覧ください。

流暢な日本文を作成するChat GPTが台頭する中、AIを使って業務を省力化する動きが加速しています。Chat GPTを使って企画書の構成や文章を作成するのはもとより、AIが予測した需要量に基づく生産計画を立案する製造業も少なくありません。今後はAIの適応領域拡大が見込まれ、人に代わって多くの業務をAIが担うことも考えらえます。

では企業は、AIとどう向き合うべきか。どんな業務をAIに任せるべきか。さらにはAI時代に向け、人にはどんな役割が求められるのか。これらの課題に真剣に取り組まなければなりません。

そこで今回のセミナーは、AIの現在地と未来について討論。AIを始めとする最新技術に精通するABEJA 代表取締役CEOで日本ディープラーニング協会理事である岡田陽介氏をゲストに迎え、AIに期待すること、一方で人に求められることを深堀しました。

コストや収益面で難しかったビジネスモデルがAIで実現可能に

岡田氏はセミナー冒頭、AIの現状を整理します。「これまでのプログラムといえば、データをもとに人がさまざまなパターンを考え、その結果に基づいた動きをプログラムで決めていた。人がプログラミングしたアルゴリズムに沿って動くのが大前提だった。しかし、ディープラーニング技術を使えば、データをもとにコンピュータが勝手にさまざまなパターンを考えてくれる。その結果をもとに行動が決まる。行動を決める原理を人は理解できないが、人よりも正確に行動できるのが特徴だ」(岡田氏)と考察。考え方のもととなるアルゴリズムさえ生成すれば、AIがデータをもとに最適解を探し出すようになるといいます。人が導き出していた答えを、現在はAIが自動で探し出すようになりつつあると岡田氏が現状を整理します。

AIの可能性と人の業務との関わりについて解説したABEJA 代表取締役CEOの岡田陽介氏

もっとも、AIの実力を理解するものの、「AIを活用するなら必要なデータを揃えなければならない、細かなチューニングなしに精度は高まらない、オペレーションが複雑でいつまでたっても成果が出ないなどの壁に直面する企業が多い」(岡田氏)と指摘。さらに、「多くの企業がAI導入の目的を売上向上やコスト削減の手段と考えがちだが、新たなビジネスモデルを切り開く手段として活用するのが望ましい」(岡田氏)と強調します。

その理由として岡田氏は、「企業は顧客に価値を提供し、その対価として報酬を得ている。多くの企業がこうした構造で成り立っている。価値を増やして報酬を引き上げるには、人員を増やすしかないと思われがちだ。しかし、人が行動して価値を創出する取り組みにAIが加われば、人員と価値は必ずしも比例関係ではなくなる。人の業務をAIがカバーするようになれば、限られた人員でも価値をさらに増やせる。つまり、人件費を抑えつつ価値を増やして報酬を得れば、高い利益率を保持できるようになる」と考察。さらに、「コストや収益性などの面でビジネスとして成立しなかったビジネスモデルが、AI導入によって実現可能になるかもしれない。これまで成立しなかったビジネスモデルが実現可能か。企業はビジネスモデルの可能性を見極めることが求められるようになるだろう。今後はこの論点を見逃すべきではない。より重要なテーマとして向き合うべきだ」(岡田氏)と続けました。

さらに岡田氏は、AIを導入するプロセスにも言及。ABEJAが顧客に提案するプロセスを参考に、その流れを解説しました。「多くのAI導入プロジェクトでは、まず最初にPoC(概念実証)で実現可能性を見極める。しかし当社の場合、PoCを実施すべきではないと提案している。全体設計やBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)、インテグレーションといった作業ののち、実際に当社の『ABEJA PLATFORM』と呼ぶAIプラットフォームを導入し、人とAIの役割分担の変遷を見てもらうようにしている」(岡田氏)といいます。

具体的には、どのプロセスに対してAIを導入するのかを定め、まずは対象プロセスとABEJA PLATFORMをAPIで連携。必要なときに必要なアクションを起こせるようにしておきます。一方、映像や音声などといった行動の起点となるデータをプラットフォームに格納。大量のデータを収集し、AIが学習する環境も整備します。「大量のデータをプラットフォームに集約することで、AIを賢くする。AIが賢くなれば、対象プロセスの最適解をAIが判断、アクションを自動で起こせるようになる」(岡田氏)と強調します。さらに、ある程度のデータを使ってAIが学習するようになると、「人はAIのアクションに対し、『OK』かどうかを判断するだけで済むようになる。AIがこのように使われれば、人の業務の40%から60%はAIに置き換わる。最終的にはAIが業務の90%を担う。人は残りの10%に関与するだけで済むようになる」(岡田氏)といいます。AI導入前は「人が実行」していたプロセスが、その後は「人が実行、AIが支援」に移行し、最終的には「AIが実行、人が支援」という構図に置き換わると岡田氏は解説しました。

セミナーでは「ABEJA PLATFORM」を実際に導入して効果を上げた事例も紹介。コールセンターへの問い合わせ内容を「ABEJA PLATFORM」に蓄積し、どう対応するのが効果的なのかをAIの判断に委ねているメーカーの取り組みを解説しました。そのほか、化学プラント設備の腐食を大量の画像から検知し、最適なタイミングで修理を実施する事例なども紹介しました。

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 日本オムニチャネル協会
  • 株式会社デジタルシフトウェーブ

メルマガ登録

メールアドレス (必須)

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる