DXマガジンセミナー

    2022.04.06

    風土改革の決め手は「DEI」、パナソニックが進めるビジネストランスフォーメーションの中身とは?

    DXマガジンは2022年3月16日、定例のDX実践セミナーを開催しました。パナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社で常務 CMO DEI推進担当役員などを兼務する山口有希子氏がゲストとして登壇。DXマガジン総編集長の鈴木康弘と「サステナブルな未来に向けた企業風土改革」というテーマで対談しました。企業の古い体制や風土をどう変えるのか。山口氏は自社の取り組みを交えつつ、風土改革のポイントや経営者の役割について言及しました。

    当日のセミナーの様子を動画で公開しています。ぜひご覧ください。

    DEIをベースにした風土改革を推進

     ゲストの山口有希子氏は、シスコ・システムズやヤフー・ジャパン、日本アイ・ビー・エムなどでBtoBマーケティング領域に従事。複数企業でマーケティング事業の管理職を歴任してきました。現在はパナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社(2022年4月よりパナソニック コネクト株式会社)常務 CMOとして、“新しいパナソニック”を全面に打ち出した自社の変革を主導します。自社オフィスや名刺デザイン変更によるイメージ刷新に乗り出したのを皮切りに、ライブ配信により同社社長の樋口泰行氏の露出機会を増やすなどの施策も次々手掛けます。

     中でも同氏が変革の柱と位置付けるのが「DEI推進」です。DEIとはDiversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の略で、多様な価値を持つ人を受け入れる社会や企業風土をつくる取り組みを言います。同氏はDEI推進を風土改革のベースと位置づけ、自社の新たな価値や成功モデル創出を進めます。

     DEIが風土改革に必要な理由を同氏は、「企業が今後も存続する手段としてDEIは欠かせない。差別のない職場、フェアな労働環境、心理的安全性などに配慮する『人権の尊重』と、グローバル人材の獲得力、リスク管理能力、イノベーション創出などを高める『企業競争力の向上』。DEIではこれら1つひとつに目を向けなければならず、近年はグローバルでその重要性が増している。単に競争力を高めるだけでは企業は生き残れない。人権尊重と企業競争力向上の二軸で取り組む風土改革に意識を向けるべきだ」と強調します。
    写真:パナソニック株式会社コネクティッドソリューション...

    写真:パナソニック株式会社コネクティッドソリューションズ社 常務 CMO DEI推進担当役員 山口有希子氏

     こうした取り組みで成し得る変革を、同社は「ビジネストランスフォーメーション」と呼びます。さらに同社は、ビジネストランスフォーメーションを「風土改革」「ビジネス改革」「事業立地改革」に分割し、それぞれの改革を具体的な目標や施策のもとで進めます。
     例えば「風土改革」の場合、これまでの成功体験や価値観を見直し、新たな成功体験や価値観を社員で共有することを目指します。具体的には、「プロダクトアウトの発想」という過去の価値観を「顧客起点の発想」に、「内部リソースで処理する」という過去の価値観を「外の知見を取り入れる」に、「長時間労働が美徳」という過去の価値観を「成果を出すことが大事」などといった新しい価値観に置き換えます。山口氏は、「過去の成功や価値観に縛られない多様な人材が集まることに主眼を置く。こうした人たちが新たな価値観に基づき、能力を最大化できるようにする。会社はそのための体制づくりやサポートを進めるべきだ」と風土改革のポイントを指摘します。

     なお、顧客に新たな価値を提供する「ビジネス改革」では、従来の成功モデルを新たな成功モデルへと見直します。ITツールの提供や単品提案などの成功モデルから、パートナーやコンサルティング、インテグレーションなど、顧客にとって役立つ提案をする成功モデルへシフトします。「ソフトウエアやハードウエアなどを提供する過去の成功モデルは、製品や技術起点の提案に過ぎない。しかし今後は顧客起点の提案が求められる。そのためには顧客とともに課題解決を目指すコンサルティングなどにこそ価値があり、顧客との『共創』を前提としたビジネスモデルに舵を切ることが必要と判断した」(山口氏)と、ビジネスの具体的な方針にも言及します。
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