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AIやMR、NFTなどの最新テクノロジーがビジネスを変える! 技術動向に目を向け新たなビジネスの可能性を模索せよ

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日本オムニチャネル協会は2024年2月13日、定例のセミナー「IT勉強会」を開催しました。特定のIT領域の製品・サービスや技術動向を紹介するセミナーで、今回は「最新テクノロジー(WEB3、VR、NFT、ロボット等)」というテーマで勉強会を実施しました。新たな技術がどう使われ、どんな効果を見込めるのかなど、最新技術の活用方法にも踏み込みました。

IT業界では企業を支援する新たな製品・サービスが頻繁に登場しています。その裏ではこれまで聞いたことのない新たなテクノロジーを活用するケースが珍しくありません。例えばAIのように、数年前までは実用化するのは難しいと思われていたテクノロジーが、わずか数年で私たちの働き方を変え得る可能性を秘めるに至っています。企業の経営者は最新のテクノロジーにアンテナを張り、自社での活用方法を模索することが求められるようになっています。

今回のセミナーでは最新テクノロジーに精通するゲストとして、STYLY 執行役員/CMO 渡邊遼平氏、ネクストスケープ システムアーキテクト 茨木大基氏、SUSHI TOP MARKETING 代表取締役 徳永大輔氏が登壇。それぞれが得意とする最新テクノロジーの動向を解説しました。

モデレーターとして、J.フロントリテイリング 執行役常務 グループデジタル統括部長 兼 グループシステム統括部長 林直孝氏、司会として日本オムニチャネル協会 専務理事で社ecbeing 代表取締役社長の林雅也氏も参加し、議論しながら最新テクノロジーの可能性ついて解説しました。

最新テクノロジーを柔軟に取り入れる姿勢を示せ

最初にモデレーターの林直孝氏が、「Web3.0」をキーワードにビジネスの変化や最新テクノロジーによる影響について考察しました。

林氏は現在のWeb3.0時代について、「ブロックチェーン技術やAI(人工知能)の活用、メタバースと呼ぶ仮想空間の発展が目覚ましい。中でもブロックチェーン技術はWeb3.0を支えるといってもおかしくない技術だ。データを分散型ネットワーク上で管理し、情報の改ざんを難しくするのが特徴だ。透明性と信頼性を高められるほか、中央集権的な管理からの解放も見込めるようになる。例えばサービスに利用するデータをこれまでは企業が管理していたが、ブロックチェーン技術を使えばサービス利用者自身が管理、所有するといったことも可能になる」(林氏)と指摘。データをどう保持するかの考え方さえ変わる可能性をほのめかします。

写真:J.フロントリテイリング 執行役常務 グループデジタル統括部長 兼 グループシステム統括部長 林直孝氏

さらにAIの可能性についても言及します。「大量のデータを分析し、予測する能力を備えるのがAIだ。ユーザーに対してパーソナライズしたサービスを提供できるようになる。ECサイトではユーザーの嗜好に合わせた商品を推薦できる。顧客体験を向上する手段としての活用が見込まれる」(林氏)と指摘します。アバターを使って仮想世界で交流したり取引したりできるメタバースも、新たなビジネスの可能性があると林氏は続けました。

ではこうしたテクノロジーがビジネスを具体的にどう変えるのか。林氏は「テクノロジーの進化によりビジネスは大きく変わる。新たなビジネス創出の機会さえ生み出せる。経営者はこの変化に追随しなければいけない。新たなテクノロジーを積極的に活用する姿勢を示すべきだ。そうしなければ競争力を維持できないし、持続可能な成長も見込めない」と指摘します。さらにビジネスを進化させるためには、「これからのビジネスを見据え、革新的なアイデアと戦略を駆使して新たな価値を創造しなければならない。そのためには常に最新のテクノロジーの情報をチェックし、柔軟に取り入れることが求められる」(林氏)と続けました。

MRが日常的に使われる未来のビジネスモデルを探れ

次に登壇したのは、STYLY 執行役員/CMO 渡邊遼平氏。同社の取り組みとWeb3.0時代のビジネス変革について解説しました。「VR(仮想現実)」や「AR(拡張現実)」、「MR(複合現実)」といった現実世界と仮想世界を融合するテクノロジーの動向に触れました。

渡邊氏は、「2030年ごろには『空間を身にまとうような暮らし』が始まると予測。MRグラスなどのデバイスを日常的に使用し、リアルとバーチャルの世界を自由に行き来する暮らしが訪れる」と指摘。家の中でテレビではなくMRグラスを使って大画面で映画を見たり、仮想ディスプレイを使って仕事をしたりするのが日常になるといいます。

写真:STYLY 執行役員/CMO 渡邊遼平氏

すでに現在、こうした体験の価値は高まりつつあると渡邊氏は続けます。その価値をけん引する代表的なデバイスが「Apple Vision Pro」だと渡邊氏は指摘します。「空間コンピューティングの普及に大きく寄与すると考える。Apple Vision Proが登場したことでMRデバイスの普及が一気に加速し、ユーザーの行動変容さえもたらすだろう」(渡邊氏)と考察します。

なお、STYLYではデジタルコンテンツをMRやVR、ARなどで楽しめるようにする配信プラットフォームを提供します。渡邊氏はMRなどを取り巻く周辺の製品やサービス、テクノロジーの進化にも目を向けるべきと訴えます。「コンテンツの価値が大きく変わる。写真や映像をプラットフォームにアップロードするだけで、写真を大画面で室内に表示させたり、自撮りした動画をどこでも楽しめるようになったりする。MRのような新たなテクノロジーをどう活かすのか、どんな世界を描くのかを考えていくことが企業には求められる」(渡邊氏)といいます。

さらに渡邊氏はこうした変化に対し、「人々の生活はテクノロジーを活用することでどう変わるのかを想像すべきだ。想像した未来で人はどんな不満を持つようになるのか、何が不足すると感じるようになるのかを思い描き、その解消法を打ち出すのが企業の役割となるだろう。これが新たなビジネスモデルとなり、未来の大きなトレンドにさえなり得る。その可能性を常に模索してほしい」と指摘しました。

XRを使った体験価値が人の行動変容を促す

続いて登壇したネクストスケープ システムアーキテクト 茨木大基氏は、MRやARなどのXR(クロスリアリティ)のビジネスについて解説しました。

同社はXRを活用したソリューションを開発しており、XRを使ってロボットを操作するツールを提供しています。商業施設の設備点検をロボットが担ったり、異常検知システムと連携することで異常検知後の対応を自動化したりと、さまざまな分野でXRやロボットの活用が進んでいるといいます。

さらに医療教育分野でもXRを活用します。「看護を学ぶ学生向けに、注射や吸引の練習を支援するアプリケーションにXRを活用する。教科書だけでは学べない実際の手技を仮想環境で練習できるのがメリットだ。聴診器の使い方もMRデバイスを通じて実践的に学べる。これまでの教育の枠を超え、よりリアルな医療教育を可能にする」(茨木氏)といいます。

写真:ネクストスケープ システムアーキテクト 茨木大基氏

そのほか、製薬会社では患者が薬をきちんと飲み続けるのを促す目的でXRを活用しているといいます。「従来の紙やテキストだけ薬を服用する行動を促しにくい。XRを使えば患者は自分事として感じやすくなる。薬を飲む必要性を自ずと意識し、行動に結び付けられるようになる。XRによる3D体験が人の意識を変える効果さえ見込める」(茨木氏)と、その可能性を強調します。

なお、ネクストスケープではロボットを3D空間を見ながら操作する「RoboLens」を提供します。「ロボットを操作するための特殊な訓練や教育に費やす時間を軽減し、直感的にロボットを操作できるようになる。もちろん専門知識も不要だ。XRを使えば、これからの普及が見込まれるロボットさえ容易に扱えるし、短期間で導入効果を高めることも可能だ」(茨木氏)と、XRとロボットを組み合わせたソリューションの利点を強調しました。

キャンペーン施策を高める手段としてNFTを徹底活用せよ

最後に登壇したのは、SUSHI TOP MARKETING 代表取締役 徳永大輔氏。いま話題のNFT(非代替性トークン)を活用したマーケティングについて解説しました。

同社では、QRコードを使って簡単にNFTを配布するシステムを開発。ウォレットを持たない人でもNFTを簡単に受け取れるようにし、多くのユーザーを巻き込んだマーケティングやキャンペーン施策を可能にしています。「例えば、店舗で商品購入時にQRコード付きのカードを渡せば、顧客はデジタルコンテンツを容易に受け取ることができる。商品に付加価値を付けるといったことも簡単に実施できる」(徳永氏)といいます。

写真:SUSHI TOP MARKETING 代表取締役 徳永大輔氏

なお同社では金融機関と連携し、ATMを通じてNFTを配布するキャンペーンを実施したといいます。ATM利用者が募金するとNFTを受け取れるような仕組みを構築。募金件数増加に寄与しました。「キャンペーンにNFTを活用したことで、募金件数は通常の約6倍、募金額は通常の約3倍に増加した。キャンペーンを成功に導いた要因は、NFTが備えるユニークな価値が顧客の行動を変容させたことに他ならない」(徳永氏)と、NFTの効果を強調します。

NFTを使えば、従来のマーケティング手法ではリーチできなかった顧客層にもアプローチできると徳永氏は指摘します。「NFTを音声を通じて配布することも可能だ。当社がFM局と連携して実施したキャンペーンでは、音声を使ってNFTを送れるようにした。メールやLINEといった従来のアプローチ手法では届かなかったFM番組の聴衆者に対し、クーポンを配布したり顧客を誘導したりと言った取り組みができるようになった」(徳永氏)といいます。

もちろん、リアルイベントに参加する来場者にNFTを直接配布するといったことも可能で、「イベントに来場することの価値を引き上げる効果も見込める。顧客と非対面を想定したマーケティング施策にとどまらず、リアルなキャンペーンにもNFTは十分活用できる。企業は今後、顧客との関係をどのように強化するのかをより意識することが求められる。このときの手段の1つとなるのがNFTだ。NFTと聞くと、今では限定的な用途にとどまるかもしれないが、その可能性は非常に大きい。ビジネスでの活用も期待されている。こうした新たなテクノロジーを活用すれば、これまでアプローチできなかった顧客向けのキャンペーン施策さえ打ち出せる。常に最新テクノロジーの動向を追い続け、自社で何ができるのかを模索することが大切だ」(徳永氏)と指摘しました。


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