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やる気スイッチを押せ! やる気スイッチグループの高橋社長が描く企業に必要な人物像とは

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「成長の共創」をテーマにしたイベントが2024年3月6日、開催されました。イベント名は「オムニチャネルDay 2024」。DXやオムニチャネルの推進を支援する日本オムニチャネル協会が主催する年次イベントで、今年は前年の450人を上回る700人超の聴衆が参加。会場内では参加者同士が頻繁に名刺交換するなど、積極的に“共創”を模索する様子がうかがえました。ここでは、10以上のセッションの中でもひときわ高い関心を集めた、やる気スイッチグループ 代表取締役社長の高橋直司氏が登壇した特別講演の様子を紹介します。

イベント終盤に実施した特別講演には、やる気スイッチグループ 代表取締役社長の高橋直司氏が登壇。日本オムニチャネル協会 会長の鈴木康弘氏と「日本のやる気スイッチを押す!」というテーマで、今後求められる人物像について対談しました。

やる気スイッチグループは、幼児から高校生までを対象とした個別指導塾などを展開。英会話スクールやプログラミング教室のほか、民間型託児保育の経営なども手掛けます。グループの2023年の売上高は507億円。教室数は8ブランドで3000拠点、生徒数は13万人を数えます。教育業界をけん引し続ける高橋氏は、どんな人材を育てようと考えているのか、教育業界のどんな課題を解決しようと考えているのか。特別講演では、求められる人物像のみならず、日本の学校教育の問題点にも踏み込みました。

講演ではまず、子供の学力の現状を整理。OECD(経済協力開発機構)が実施する「PISA」と呼ぶ学力調査を引き合いに、子供の学力について議論しました。PISAでは15歳の子供を対象に、読解、数学、科学のリテラシーをランキングしており、2022年の調査結果では、日本は読解が3位、数学が5位、科学が2位とどれも上位を占めています。この現状を踏まえて鈴木氏は、「日本の子供の学力は、2000年代前半に順位を下げたものの、ここにきて回復基調にある。学校教育に目を向けると、物事を覚えさせる“詰め込み教育”から脱却し、課題解決の糸口を自ら探す探求教育を重視しつつある。生徒同士が意見交換するグループワークを実施するケースも珍しくない。こうした新たな教育の形が学力向上に寄与しているのでは」と解説します。

高橋氏も鈴木氏の意見に同意しつつ、「日本では一時期、『ゆとり教育』が重視された。基礎的な学力を身に付けるよりも発想力を育むことに注力してきた。しかし今、ゆとり教育は終わり、課題を解決する探求力を身に付ける教育に舵を切った。その結果がPISAのランキングに表れているのではないか」(高橋氏)と推察します。さらに、「私たちを取り巻く環境は大きく変わりつつある。とりわけ企業は、同じことを繰り返すだけでは生き残れない。社員には斬新な発想や物事の本質を読み解く力がより求められるようになった。子供だけではなく社会人にとっても、探求する力が何より必要である」(高橋氏)と指摘します。

写真:やる気スイッチグループ 代表取締役社長 高橋直司氏

一方、大学での教育に問題があると両氏は指摘します。「イギリスの教育誌が発表した世界の大学ランキングによると、東京大学は39位、京都大学は68位と上位に食い込めていない。小中高で探求力を身に付けたとしても、大学ではその力を必ずしも伸ばせずにいるのが現状だ。その結果、社会で活躍できない、企業から求められない人材が輩出され続ける状況を招いている」(鈴木氏)と推察します。高橋氏は大学の現状について、「日本の学生は物事を覚えたり、問題に回答したりする力は優れている。しかし、大学はこうした力を育む場ではない。求められているのは発想力だ。新しいことを考えて作ったり、これまでにないイノベーションを創出する力こそ大学で育まなければならない。育まなければ、世界との差は開くばかりだ」と厳しい口調で訴えます。

写真:日本オムニチャネル協会 会長 鈴木康弘氏

鈴木氏は、大学の教育環境が産業界の求めるニーズと乖離している点も指摘します。「日本の大学では文系・理系で学ぶべき内容が大きく異なる。知識が偏るため、学生は社会に出てから通用しにくくなってしまう。さらに日本の大学生は世界と比べて勉強時間が圧倒的に不足している。学習習慣を身に付けないまま社会に出るため、社会人になってから『学ぼう』とする姿勢も極度に低い。企業は社会への適応力のない新入社員を受け入れているため、十分な時間をかけて研修や教育を実施しなければならない」(鈴木氏)と大学の現状を危惧します。さらに、「日本のGDP(国内総生産)はドイツに抜かれ、4位に後退した。一人あたりのGDPに限れば、日本は37位だ。これは日本の低い生産性を物語っている。一方、幸福度を示すランキングで日本は47位だった。つまり、生産性の低さが幸福度に直結していると考えられる。こうした状況を打破するためにも、日本として人材をどう育てるのかを真剣に考えなければならない」(鈴木氏)と続けます。高橋氏は教育現場を長く見てきた立場で、「近年は覇気のない子供が増えていると感じる。勉強や運動ができないことより、活力のないことが問題だと捉えている。こうした動きも、生産性の低下や幸福度に深く影響しているのではないか」(高橋氏)と推察します。

では、これからの社会に求められる人は、どんな力を持つべきか。鈴木氏は、「AIが台頭する社会で知識量は大した問題ではない。AIに聞けば、相応の答えを教えてくれるからだ。人とITが共存する社会で何より大切なのは、構想力だ。さまざまな情報を整理し、組み立て、物事を実現する力こそ養わなければならない」と指摘します。高橋氏も、「ITが業務を担うようになれば、人による作業はますます減るだろう。技術の進化によって仕事の仕方はもとより、社会も大きく変わることになる。ITで何ができるのか、どこまでできるのかを模索し、共存を前提とした働き方や社会を描くことが必要だ」と続けます。

具体的には、「データを加工したりシステムを構築したりするのに必要な『デジタルスキル』、事業戦略を立案したりビジネスモデルを構築したりする『ビジネススキル』、DXなどの新たな取り組みを主導する『パーソナルスキル』の3つが必要だ」(鈴木氏)といいます。とりわけパーソナルスキルは、「多くの経営者が社員に身に付けてほしいと望んでいる。リーダーシップを発揮し、新たな取り組みに挑戦しようとする社員が多くの企業で不足している。周囲を巻き込むコラボレーション力や失敗を恐れず突き進むチャレンジ精神などのスキルこそ、次代に備えて養わなければならない」(鈴木氏)といいます。

写真:両氏は社会や企業に求められる人物像について議論を交わした

社員一人ひとりの意識を変えることも大切だと高橋氏は指摘します。「直面する壁を乗り越えて突き進むには、その人自体が変わらなければならない。パーソナルスキルの根底を支えるのは、その人の活力だ。今回のテーマである『やる気』を持つことこそ必要だ。やる気がなければ新たなことに挑戦できないし、これからの社会を勝ち残れない」(高橋氏)と述べます。

その上で高橋氏は社名でもある「やる気スイッチ」について、「やる気を生み出すスイッチは、誰かに押してもらうものではない。一人ひとりが自分で押すものだ。このとき、周囲との関係も見逃してはならない。自身の努力が周囲にどう影響するのか、自身が周囲に対してどんなサポートができるのかを踏まえて行動すると、勝ち抜くチームを醸成できるようになる。こうした環境が“やる気スイッチ”をONにし続け、自身はもちろん、組織や企業を成長へと導く」(高橋氏)と訴えました。


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