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社員の幸せが企業競争力アップに直結、コミュニケーションや働きやすさに最大限配慮したオフィスづくりを

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日本オムニチャネル協会は2023年6月21日、定例のセミナーを開催しました。今回のテーマは「企業競争力を高める:従業員体験にフォーカスした人事総務の取り組み」。企業が成長する際に必要な、人事総務部門が果たすべき役割について議論しました。

当日のセミナーの様子を動画で公開しています。ぜひご覧ください。

多くの企業が喫緊の課題と捉えるようになった「従業員体験の向上」。従業員の働きやすい環境を整備したり、従業員のやりがいを見い出せるようにしたりすることで、離職防止や組織の生産性向上を見込む企業が増えています。

こうした各種施策を考える上で重要な役割を担うのが、働く場を司る総務部門です。今回のセミナーでは総務部門にフォーカス。総務部門が従業員体験を高める施策をどう企画し、進めるべきかについて考えました。

セミナーには月刊総務 代表取締役の豊田健一氏が登壇。同氏が提唱する「会社が変わる為には、総務部門が【戦略総務】へと変わる必要がある」の真意を解説しました。さらにパネルディスカッションも開催。豊田氏のほか、日本オムニチャネル協会 会長の鈴木康弘氏や同協会のEX部会のリーダーとサブリーダーを交え、従業員体験を踏まえた働き方や組織のあり方について議論しました。

従業員の幸福度を高めるオフィス設計を

豊田氏は「EXの向上 働く『場』を通じた幸福経営の実現」をテーマに講演しました。豊田氏は冒頭、従業員、つまり人の究極の目標として「健康、幸せ、長生きが人の目標である。これらを実現するには、働く場も幸せでなければならない」と指摘。ある調査によると、幸せに働ける職場の方が、そうでない職場より生産性が31%高く、売上の37%高くなるといいます。創造性に至っては3倍もの開きがあるといいます。「1日の大半を過ごす働く場が不健康であるべきではない。労働環境を改善し、従業員のエンゲージメントや生産性が向上すれば、結果的に事業は成長する。企業はこうした視点で働く場を見直さなければならない」(豊田氏)と訴えます。EXの重要性が高まる中、働く場の環境づくりは総務に課せられた重要なミッションだと言います。

ではEX向上に向け、企業はどう取り組むべきか。豊田氏は「Employee Journey」と呼ぶ一連の出来事を可視化し、どの体験価値を高めるかを考えるべきだと訴えます。「従業員のジャニーは一般的に入社、オンボーディング、配属、就業、育成、評価、退職といった流れになる。中でも重要なのが『就業』だ。実際に仕事に従事する過程こそ、どんな体験なのか、どのように価値を高めるかを考えなければならない」と指摘します。

総務部門がEX向上に向け、主体的に取り組むことの重要性にも言及します。「総務主導で従業員体験を高める施策を打ち出すべきだ。こうした取り組みを進めることを『戦略総務』と呼ぶ。総務が自ら考え、自ら会社を変える。こんな総務が望ましい姿だ。そのためには総務自身が変わることが不可欠である。単なるオペレーション業務に留まらず、戦略を立案、実施する積極性を身に付けるべきである」(豊田氏)と、総務が果たすべき役割を考察します。

なお、LinkedInを使い、国内で求人需要の増加率が高かった役職を調査したところ、総務管理担当は2位だったと言います。「日本で総務の専門家は求人需要が高い。それだけ専門的な視点で自社を統括し、運用する能力が求められている。多くの企業が専門的な総務部門を組成したいと考えている」(豊田氏)と考察します。

従業員体験を高める職場づくりに必要な視点として、豊田氏は次の4つを取り上げます。
1.Purpose:企業と個人のパーパスをすり合わせる「場」
2.Relationship:コミュニケーション活性化の「場」
3.Authenticity:自分らしく働ける「場」
4.Wellness:Well-Beingな「場」、Well認証

これらを考慮するとともに、「効率的に働ける『場」と創造的に働ける『場』を組み合わせ、自分が意義を感じられる仕事を、自分らしさを保持しながら実現すべきだ。こうした考え方を『幸福経営』と呼ぶ」(豊田氏)と述べます。

例えば、Relationship(コミュニケーション活性化の「場」)を構築するなら、「社内報やWeb社内報などのメディア、フリーアドレスやリフレッシュルームなどのオフィス、周年行事やシャッフルランチなどのイベントといった施策を打ち出すのが一般的だ。メディア、オフィス、イベントの三位一体施策を展開することでコミュニケーションを活性し、幸福経営、さらにはEX向上を実現しやすくなる」(豊田氏)と言います。

さらに、オフィスでは対面コミュニケーションによる「衝突」を起こすことが何より重要だと豊田氏は続けます。「組織内外で、知識労働者の偶然の出会いや予定外の交流により、パフォーマンスが向上することが期待できる。つまり、偶然の出会いを最大限に活かすオフィス設計もポイントの1つだ。廊下やカフェテリアで斬新なアイデアが生まれやすいように、いろいろな人と出会う場づくりに目を向けるべきである」(豊田氏)と、分析します。

さらに、自然光や観葉植物、静かな労働環境などを取り入れた「バイオフィリック・オフィス」の効果にも言及。「例えば、海の見える眺望や明るい色を取り入れた壁面などは、働く上で良い効果を見込める。観賞植物を配置すれば、ストレス軽減を見込めるし、社員の満足度が向上し、定着率アップも期待できる」(豊田氏)といいます。ある調査によると、バイオフィリック・オフィスにより幸福度は15%、生産性は6%、創造性は15%アップしたケースもあると言います。「観葉植物のほか、自然光、ハイレゾ自然音、アロマなどの要素をオフィスに取り入れるのも有効だ。いかに働きやすさを追求するか。従業員の幸せを前提に取り組むことが大切である」(豊田氏)とまとめました。

一般社団法人日本オムニチャネル協会
https://www.omniassociation.com/

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