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デジタルを駆使した店舗改革の必要性を訴求、店舗経営者向けセミナー「リテールDXセミナー2021」開催

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フジテックスは2021年4月22日、日本オムニチャネル協会と共催で店舗経営者向けセミナー「リテールDXセミナー2021」を開催しました。「経営が成すべきDXとは~組織を動かし実践する~」と題し、DXの進め方や組織改革、ニューノーマル時代における店舗の在り方を紹介しました。ここでは主な内容を紹介します。なお、セミナーは2021年5月27日に再配信します。詳しくは文末の詳細を参照ください。

カインズが取り組むデジタル改革とは?

 第1部の講演には、カインズ代表取締役社長の高家正行氏が登壇。「カインズ変革の取り組み」と題し、自社で進めるデジタル戦略を解説しました。高家氏は冒頭、今後の事業について「新型コロナウイルス感染症がまん延する中、当社は2020年度の売上が4854億円と、対前年比10%の成長を遂げた。しかし、大型店舗を展開する当社にとって、今後5年、10年と同様のビジネスが成り立つとは考えていない」と指摘しました。
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 そこでカインズではコロナまん延前の2019年に、中期経営計画でデジタルの活用を想定したビジョンを打ち出しています。「『Project Kindness』と名付けた中期経営計画を打ち出した。DXではないが、会社全体を変革させる『CX(コーポレート・トランスフォーメーション)』という取り組みを柱にする。成長下だからこそ、新たな戦略によって事業を加速させたいと考えた」と言います。具体的には、新たな顧客体験を創造するSBU戦略、エモーショナルな体験を創造するデジタル戦略、店舗の在り方を見直す空間戦略を推進します。
中でもデジタル戦略は、店舗空間とデジタル空間の融合や顧客ごとに合った提案などを目的とし、これらを成し得るための体制構築も進めます。「ITやデジタルに積極的に投資する。中期経営計画では3年で100億から150億円を投入することを宣言し、現在計画通りに進めている。2年前にはほぼいなかったデジタル人材も100人体制にした」(高家氏)と実績を強調します。店舗で働く従業員とデジタル人材の働き方が異なることを考慮し、勤務形態やオフィスも見直すなどして、デジタル人材が働きやすい環境整備にも目を向けます。
今後はデジタル化の波を店舗運営に積極的に生かすことを視野に入れます。「デジタルを活用したサービスやマーケティング施策を取り入れた新業態の店舗を立ち上げた。デジタルをより効果的に活用することに主眼を置いた」(高家氏)と言います。デジタルによる変革を、いかに店舗にフィードバックするかを模索したいとまとめました。

ヒト基点の取り組みや意識改革がDXには不可欠

 第2部は、本メディア総編集長で、日本オムニチャネル協会会長、デジタルシフトウェーブ代表取締役の鈴木康弘が登壇。「DXを推進する経営者として持つべき考え方とは?」と題し、DXを進める際のポイントを紹介しました。講演冒頭、最近の「DX」という言葉の扱いに言及。「多くのメディアが『デジタルシフト』や『DX』という言葉を使ってはやし立てている。システム会社やコンサル会社も同様だ。その結果、デジタル化が目的となっているケースが目立つ」と指摘。こうした『DXバブル』の状況に警鐘を鳴らしました。
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 さらに、DXに失敗するケースも指摘します。「経営者は掛け声だけ。専門部門を設置してもノウハウ不足で停滞。マーケティング部門だけ盛り上がるが全社的には何も変わらない。開発・ツール導入が増えるだけ。変革しても長続きせずに全社定着に至らない。これらのケースをよく聞く。自社では進められないからと外部に丸投げするケースも散見され、DX推進プロジェクトが暗礁に乗り上げる企業が増えている」というDXプロジェクトの課題を具体的に示しました。
では、成功させるためには何が必要か。一番のポイントとして、「人」の重要性を訴求します。「経営者をはじめ、DX推進担当者、さらには全従業員が一丸となって取り組まなければならない。こうした意識と組織体制が不可欠である」と強調します。具体的には、経営者の意識を変え決意を促し、デジタル推進体制を構築し、未来を想定し業務を改革し、自社でITをコントロールし、変革を定着させる。これらを順を追って進め、1つずつ取り組むことがDXを成功させるためには必要であると言います。
 DXを成功させるために経営者が持つべき考え方にも言及しました。「時代の変化を強く認識すること。人任せにせず率先垂範で行動すること。全社を巻き込む変革の覚悟を持つこと。諦めない心を持ち続けること。これらを決意し、実行に移すことが大切である。経営者がいかに『変革』の意識を持てるかどうかが、DXを成功に導く大きな要素である」とまとめました。

経営者主導で全社一丸の取り組みに

 第3部は、「組織におけるDX阻害要因とは?」と題したパネルディスカッションを実施。日本オムニチャネル協会理事の逸見光次郎氏をモデレーターに、高家氏と鈴木両氏が意見を述べました。
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 高家氏は事前の準備や目的を持つことの重要性を指摘しました。「DXによる改革を進めるなら、十分な計画や準備が必要。自社を取り巻く環境変化に迫られてからデジタル化に着手しては遅い。なぜデジタル化が必要なのか。DXのゴールをどこに設定するのかといったビジョンや目的を明確にするなどし、計画的に進めるべきである」と述べました。
鈴木は「過去の成功体験から脱却できないのが阻害要因である。リアル店舗の成功体験はネットショップで通用しないのが好例だ。過去にとらわれずに新しい試みを突き進められるかどうか。過去のノウハウは通用せずとも、不退転の意思で取り組むことがDXには求められる」と指摘しました。従来の組織や業界といった垣根を取り払って新規事業を創出できる視野やビジョンを持つことの必要性も訴求しました。
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なお、本セミナーは2021年5月27日(木)に再配信します。以下より申し込みを受け付けているので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
名称 リテールDXセミナー2021
開催日時 2021年5月27日 (木) 16:00~17:30
会場 オンライン
料金 無料
定員 500名
主催 株式会社フジテックス
共催 日本オムニチャネル協会
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