DXマガジン副編集長のサクラバが、展示会やイベントを突撃レポート。東京ビッグサイトで2023年2月28日から3月3日に開催された展示会「リテールテックJAPAN」の中で気になった製品・サービスを紹介します。今回は、自転車配送サービス「エニキャリ」をチェック!【サクラバが行く#23】
「物流クライシス」という言葉が話題になっています。
「物流クライシス」は、人手不足や輸送する荷物量の増大により、これまで通りのサービスが提供できなくなる事態を指す言葉です。
さらに追い打ちをかけるのが、2024年問題です。働き方改革関連法により、ドライバーの長時間労働時間が規制され、取り扱える荷物量が減るといわれています。物流企業の利益は減少し、ドライバーは長時間労働から解放される一方で、収入が減り、離職増加やドライバー不足が慢性化する可能性があります。
すでに物流コストが急速に上昇しており、この問題に対処するためには、効率的な物流システムの構築やイノベーション、物流のDXが必要です。
そんな中、「エニキャリ」は、ITと自転車配送を組み合わせ、今よりも便利で効率的な物流を掲げています。
小さな荷物を同じ街の中で運ぶには、自転車が効率的であることはいうまでもありません。
たとえば、オンライン医療。患者がオンライン診断を受けて、薬の処方せんが出された場合、その処方せんをドラックストアに送って、患者に薬を届けてくれるといいます。
配送スタッフを大事にしているのもエニキャリの特徴です。自転車配送スタッフを直接雇用し、教育することでサービス品質を上げ、差別化に取り組んでいます。
展示会では、小型の自転車を展示。その後ろには、オレンジ色のバッグとサイドカーが設置されていました。
また、エニキャリは、自動車免許がなくても働き手になれます。自転車は、働き方改革関連法の規制対象ではないため、働きたいのに規制のために働けないということがありません。配達スタッフは、出社して、アプリを持って散らばり、通知を受けて荷物を取りに行ってお客さんに届けます。
二酸化炭素を排出しない自転車を使うゼロカーボン配達にもなるエニキャリ。このように、人と環境にやさしい物流が、未来の物流のあるべき姿なのかもしれません。