MENU

連載

第5回 【最終回】業務フロー図の活用方法

  • URLをコピーしました!

 今回は、これまでに作成してきた、業務フロー図の実践的な活用方法について私が実際に取り入れている手法をベースに書いていきます。

「共通言語としての業務フロー図」を作成するメリット

 ここまで業務フロー図の作成を進めてきました。前回にも書きましたが、業務フロー図は完成することはありません。一回作成したら終わり!ではなく、常に手を加えて、日々修正していくことで本当に意味のある、「共通言語としての業務フロー図」になっていきます。

 私が業務フロー図を作成する場合は、必ず「共通言語としての業務フロー図」とする、という目的を持って作成を進めます。

 また、いちばん重要なのは、部署内だけではなく、上司も含めた部門、会社全体で「共通言語としての業務フロー図」として認識を合わせておくことです。上から下までのメンバー全員が同じ認識を持つことで、初めて「共通言語としての業務フロー図」としての、多くのメリットが生まれます。その中でも効果的な3つの活用パターンについてご紹介します。 【業務フロー図の効果的な活用方法 3パターン】

1.ルールに従った業務遂行を徹底することが出来る。

2.ルール変更のためのディスカッションのベース資料となる。

3.新人、新任者教育の負荷を大幅に削減することが出来る。 上記の3パターンについて、それぞれご紹介します。

1.ルールに従った業務遂行を徹底することが出来る。

 前回述べましたが、業務フロー図は簡単に言うと、「動き」「繋がり」「順番」を明確化して、整理することです。事前に洗い出した登場人物が、どんな「動き」をして、それがどこの誰と「繋がり」、どんな「順番」で業務が進んでいくのか、これさえ整理できれば、業務フロー図は完成します。1つ1つ、ぶつ切れになっていた業務が整理されて繋がっていくことで、全体感が見え、埋もれていた課題も浮き出てきます。

 全体感が見えることで、問題や課題を明確化することが非常に簡単になります。業務のルールも出来ているので、そのルールに沿って業務遂行をするだけです。もし、そのルールから逸脱した業務フローとなっていれば、その部分を改善してあげればいいだけです。

 結果として、課題が埋もれてしまうことも、担当者毎の業務フローの属人化も起こりづらく、業務の標準化を図ることが出来ます。

2.ルール変更のためのディスカッションのベース資料となる。

 業務を行っていく中で、必ず改善点が見つかります。業務フロー図は、常に更新し続けて、改善し続けることが重要です。ただ、担当者が課題だと感じていても、それを上司に説明して納得してもらって、改善する、という流れを作るには、多くの労力がかかります。

 そこで、「共通言語としての業務フロー図」の出番です。上司も含めた全員が同じ業務フロー図を見ながら、具体的にどこの部分に課題やボトルネックがあり、その部分をどう変えるべきなのかを具体的にディスカッション出来ます。

 「共通言語としての業務フロー図」をベースにして、お互いの言い分を同じ土俵に出すことで、部下のワガママも、上司の都合も関係なく、最適な業務フローで、最適な業務を行うことが出来ます。

3.新人、新任者教育の負荷を大幅に削減することが出来る。

 メリット3は、当たり前ではありますが、教育する側・される側の双方に最も効果の大きいメリットだと思います。「ルール」が出来ているので、新人さんにもその「ルール」を教えてあげればいいのです。また、その「ルール」も手順書等の文字だけの資料ではなく、アイコンや色のついた「業務フロー図」であるため、効果は飛躍的に向上します。

 以前、文字だけの手順書で教えた場合と、「業務フロー図」で教えた場合の理解度の比較を行ったことがありますが、圧倒的に「業務フロー図」で教えた場合の方が3倍くらい(筆者の主観ですが。。。)、理解度が高いという結果になりました。

 また、業務の属人化の排除にも非常に効果的です。「ルール」になっているので、言い方を変えると、誰でも同じ業務が出来る、ということになります。そうなれば、人のローテーションも容易に実行でき、部署、社内全体の戦闘力を向上する手助けにもなります。

【まとめ】業務フロー図の3つの重要ポイント

 業務フロー図について、私が非常に重要だと考えている3つのポイントをまとめました。読者の方が業務フロー図を作成・活用する際の参考にしていただければ幸いです。
 (406)

 これまで、5回に渡って業務フロー図について連載をさせていただきました。まだまだ文章で表しきれていないコツやノウハウが沢山ございます。今後も発信を続けてまいりますが、ご興味のある方は、是非お問い合わせいただければと思います。

 最後までお読みいただきましてありがとうございます。
島津 将吾(Shogo Shimazu)

大学にてマーケティング戦略を学び、産学連携PJ等で実際のビジネスでの実践を経験。UNIQLOでのアルバイト経験により小売業の面白さに目覚める。大学卒業後はこれからはデジタルの時代であると考え、ネット小売業の(株)セブン・ネットショッピングに入社。管理業務やカスタマーサポート、マーケティング業務を担当し、その後、オムニチャネルプロジェクトに参画。「omni7」サイト構築に構想段階から関わり、リリースまで担当。2017年8月に(株)デジタルシフトウェーブに転職。現在は、主にデジタルシフトのための業務改革をご支援している。
■上記の著者へのDX相談・講演等の依頼は、こちらから

株式会社デジタルシフトウェーブ

https://www.digitalshiftwave.co.jp/
シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 日本オムニチャネル協会
  • 株式会社デジタルシフトウェーブ

メルマガ登録

メールアドレス (必須)

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる