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第3回 【実践】業務フロー図の描き方~Part1~

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 これまで、業務フロー図とはそもそもなにか、実際に書くときの注意点、業務フロー図の重要性、書く前に整理すべきポイントについて書いてまいりました。今回は、業務フロー図の実践的な描き方について私が実際に取り入れている手法をベースに書いていきます。

まず初めに確認すること

 これまで準備して生きた前提事項をベースに、いよいよ業務フロー図の作成をしていきます。この時点で、下記については明確化されていることが前提です。 【業務フロー図作成に際しての前提事項】

・業務フロー図を作成する目的と背景

・業務フロー図を作成する対象業務

・業務フロー図を作成するルール(フォーマット/アイコン等々) 上記が明確化出来ていれば、準備完了です。実際に業務フロー図の作成を始められます。第一回から続けて書いておりますが、業務フロー図を作成する一番の目的は、「社内の共通言語を作ること」です。この前提を頭に置いたまま、絶対に忘れないようにして作成していくことが一番重要です。

まず、想像での仮案を作成してみる

 いきなり、担当者を集めて、白紙のフォーマットをベースにヒアリングを始めても意味がありません。ファシリテーターとして、まずは頭の中で、自分自身が対象の業務を理解し、想像での仮案を作成した上で担当者へのヒアリングをすることが重要です。

 想像での仮案は、精緻なものである必要は全くありません。一般的な営業フローや、販促フロー、店舗業務フロー等々をベースに作っていきます。担当者へのヒアリングが始まる前までに、対象業務の固有情報を反映して完成させます。

 具体的には、横軸に並ぶ部署や、担当者をカスタマイズし、特徴的な業務があるようであれば、それを反映してあげます。このタイミングでは、あくまで「想像での仮案」なので、担当者と話をするためのレジュメを作成するイメージです。
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 白紙のフォーマットを見せられると、多くの方は何から話したらいいか分からず、情報を正しくヒアリングすることが出来ません。しかし、「想像での仮案」があることで、実際の業務をイメージしやすくなります。また、ヒアリング対象者も、ご自身の業務イメージと、想像での仮案との差異を指摘していけばいいため、スムーズに作成することが出来ます。

担当者へヒアリングする際の進め方のコツ

 実際にヒアリングをする際も、いくつかコツがあります。「想像での仮案」を作成しても、また、ヒアリングを受ける側は、なにを話したらいいのかが分からずに迷っている可能性があります。その迷いを解いてあげて、更に話しやすい雰囲気を作ってあげることが大切です。

 また、ヒアリング対象者によっては、業務フロー図が出来ることで、自身の仕事が無くなってしまうのではないかと考え、ヒアリングに対して協力的ではない場合があります。しかし、業務フロー図は、誰かの業務を奪うものではなく、業務を整理し、より良い業務環境を整備していくためのツールでもあります。結果として、業務のブラックボックス化を解消することが出来るため、会社全体でも業務を平準化して属人化のリスクを排除することができます。 

 そのため、ヒアリングをする際には、上記のメリットを伝え、仕事を奪うものではなく、ヒアリング対象にとっても成長のチャンスになるというプラスの要素を意識させてヒアリングを行っていきます。そうすることで、業務の詳細を自然に細かく、お話しいただけることが多いです。  今回は、「【実践】業務フロー図の描き方~Part1~」について書かせていただきました。業務フロー図を作成する際は、多くの方々の協力が必要になります。その多くの方々の協力を得るためにも、相手側に対してメリットになることや、最終的には自分たちが気持ちよく業務を行うことが出来るようになることについて、しっかり説明することが重要です。

 ファシリテーターとしては、一緒に業務フロー図を作成して、業務を良くしていきましょう!という気持ちを常に持つことが非常に重要です。気持ちがないヒアリングは、冷たく無機質になりがちで、極端な言い方をすると、「取り調べ」のような状態になってしまいます。そうならないためにも、業務を一緒に良くしていきましょう!という気持ちは絶対に忘れてはいけません。  次回は、「【実践】業務フロー図の描き方~Part2~」について書かせていただきます。是非引き続きご覧いただければと思います。
島津 将吾(Shogo Shimazu)

大学にてマーケティング戦略を学び、産学連携PJ等で実際のビジネスでの実践を経験。UNIQLOでのアルバイト経験により小売業の面白さに目覚める。大学卒業後はこれからはデジタルの時代であると考え、ネット小売業の(株)セブン・ネットショッピングに入社。管理業務やカスタマーサポート、マーケティング業務を担当し、その後、オムニチャネルプロジェクトに参画。「omni7」サイト構築に構想段階から関わり、リリースまで担当。2017年8月に(株)デジタルシフトウェーブに転職。現在は、主にデジタルシフトのための業務改革をご支援している。
■上記の著者へのDX相談・講演等の依頼は、こちらから

株式会社デジタルシフトウェーブ

https://www.digitalshiftwave.co.jp/
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