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コラム

自分の経験が役立つか不安な50代。大人のインターンシップで見つかった「名もなきスキル」こそが1番の価値だった!?

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「人生100年時代」と言われる今、50代からのキャリアを考える時に 、多くの方が「自分の社内経験は外でも役立つのか」との不安を口にされます。前回は、セカンドキャリアを築くために動き出す意味や、考え方ポイントをお伝えしました。今回は、一歩を踏み出した先に「具体的に見えてくるもの」に焦点をあてます。インターンシップや新たな取り組みを通じて、自分では当たり前だと思っていた「名もないスキル」が価値を持つ面白さを紹介します。【会社員から社会人へ!50代からのキャリア実践ガイド#6】

自らの価値発見は周りの力を借りる!がポイント

「俺の経験は潰しがきかない」
50代の参加者の方々とお話していると、かなりの頻度でこのような言葉を耳にします。就社世代として一つの会社で長く働き、社内での経験は豊富です。社内の事情や人間関係には精通しており、様々な業務をこなしてきたという実感もあります。しかし、30年以上同じ組織で過ごしてきたからこそ、「長年の社内経験は、外の社会でも役に立つのだろうか」と不安を抱えている方も少なくありません。

こうした方々が、50代大人のインターンシップに参加される前に、「あなたのポータブルスキルは何ですか?」と質問すると、営業であったり、後輩の指導をしてきたことや、プロジェクトマネジメントが得意であることなど、いわゆる「ビジネススキル」と呼ばれる、多くの方々がイメージしやすい答えが返ってきます。

ところが、2か月間のオンラインインターンシップを終えた後に同じ質問をすると、驚くほど違う答えが返ってきます。社長の話をじっくり聴いたことが一番喜ばれたと話す方もいれば、会議の内容を議事録にとり、隣の部署に展開したところ、非常に分かりやすいと感謝されたという方もいます。また、会議を時間通りに終えられるように、議題を事前に整理して進行したら驚かれたという声もあります。

これらは、ご本人がスキルだとすら思っていなかった、日常で当たり前に行ってきた行動です。いわば“名もなきスキル”と言えるかもしれません。長い会社員人生の中で知らず知らず培ってきた、筋肉のようなイメージです。

「何ができますか?」と問われて「部長をしていました」と答えてしまう、という笑い話を耳にしたことがある方もいるでしょう。これは、「部長として何をやってきたのか」を言語化できていないからこそ、出てしまう回答です。

特に規模の大きな企業で働いていると、業務が細分化されているため、「私は〇〇しかできません」と思い込んでしまいます。しかし、その仕事は他部署との調整や社外との折衝を数え切れないほど重ねながら進めてきたはずです。ご自身の思い込みで自分の可能性に蓋をしてしまうのは、非常にもったいないことです。

一方で、インターンシップ受け入れ先の企業経営者に「50代のインターンを受け入れて何が一番良かったですか?」と聞いてみると、圧倒的に多い回答は「自分たちに寄り添って考えてくれた」というものでした。さらに詳しく聞くと、文脈を把握する、間に入り分かりやすく伝える、異分野の情報知識をつなぎ合わせる、現状を把握しながら方向転換できる、といった「様々な経験を重ねたからこそ培われたスキル」が浮かび上がってきます。

インターンシップに一歩踏み出すと、全く違う景色が見えてきます。ご自身が持つ強みやスキルは、自分では当たり前すぎて気づきにくいものです。だからこそ、一歩踏み出し、他者の視点を取り入れることに意味があります。小さな一歩が、大きな自信と新しい未来につながっていきます。

筆者プロフィール

大桃綾子
Dialogue for Everyone株式会社 代表取締役
1981年生まれ、新潟出身。三井化学にて人事・事業企画に約10年従事。トリドールホールディングスを経て、2020年創業、40代50代に特化したキャリア自律・越境学習プログラムを展開。 地方企業と都市部人材の副業マッチングサービスJOINS取締役、新潟県産業ビジョン2030委員、広島県呉市中小企業・小規模企業振興会議ワーキンググループ委員などを務める。プライベートでは2児の母。

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