海外進出が加速する一方で、攻撃者は警備の薄い海外拠点を突きます。対策の遅れは、事業継続にも直結します。株式会社ラックとKDDI株式会社は、平時と有事を一気通貫で支える新サービスの受付を開始しました。見える化と現地初動を両輪に据えた点が肝です。なぜ今か。どこまで対応できるのか。サービスの中身と狙いを整理します。
平時の可視化と有事の初動を一体化した「二枚看板」
株式会社ラックとKDDI株式会社は2026年3月4日、海外拠点を持つ日本企業のITガバナンス強化を目的に二つの新サービスの受付を始めました。名称はグローバルセキュリティ実態アセスメントとグローバルインシデントレスポンスです。両社は2025年7月からセキュリティソリューションのグローバル展開を本格化させており、今回の取り組みはその拡張に位置づけられます。背景には、クラウド活用やAIの高度化により国境を越える脅威が増大している現実があります。攻撃の矛先が本社だけでなく取引先や海外拠点へ向かい、サプライチェーン全体の底上げが課題となっています。KDDI株式会社の世界59拠点のネットワークと、株式会社ラックのセキュリティ知見を組み合わせ、地域に依存しない実行体制を整えています。
グローバルセキュリティ実態アセスメントは、戦略や組織体制から運用や監視まで、海外拠点のセキュリティレベルを包括的に評価します。評価の対象にはアカウントやインフラ、データ、ネットワークなどが含まれます。攻撃シミュレーションにより脆弱性を検証し、実効性のある改善を促します。結果は日本語と英語の改善提案レポートとして提示されます。可視化により各拠点の実態が把握でき、ITガバナンスの強化に直結します。対象エリアはKDDI株式会社の海外拠点がある地域です。実施により、改善の優先度付けや共通課題の整理が進めやすくなります。
グローバルインシデントレスポンスは、海外拠点でのセキュリティインシデント発生時に初動対応とデータ保全を迅速に行うサービスです。日本語と英語の問い合わせ窓口を設け、KDDI株式会社の海外現地法人のエンジニアが現地へ駆けつけます。事業継続と被害者保護を優先し、拡大防止策を助言します。原因や手法、漏えいルートの特定に向けたコンピュータフォレンジック調査も実施します。専門人材が不足しがちな海外拠点で想定される初動の遅れを補完する狙いがあります。平時のアセスメントと組み合わせることで、検知から封じ込め、再発防止までの流れを担保できます。
二つのサービスを組み合わせることで、平時の課題把握と有事の現地対応を一体で提供できる点が特徴です。企業は海外拠点を含むIT環境の弱点を前広に特定できます。万一の際には地域に根ざした機動力で被害の拡大を抑制できます。両社は今後、中堅や中小企業を含むサプライチェーンの支援を拡充するとしています。グローバル全体のレジリエンス向上を目指す姿勢が明確です。2026年3月2日から5日にスペインのバルセロナで開催されるMWC26 Barcelonaでは、両社がグローバル展開に関する展示を行っています。サービスの詳細は各社の案内が提供されています。
見解 両サービスは、株式会社ラックの監視運用やフォレンジックの実績とKDDI株式会社の世界59拠点の現地動員力を補完的に組み合わせています。アセスメントと初動対応の連動により、海外拠点のリスク低減に具体性が生まれる構成です。
詳しくは「株式会社ラック」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















