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52年ぶりの有人月ミッション始動!SLSロケットで4名が月へ、トラブルを乗り越えた完璧な打ち上げ

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アルテミス計画初の有人ミッションとなるアルテミスIIが、フロリダ州ケネディ宇宙センターの発射台39Bから東部夏時間午後6時35分に打ち上げられました。搭乗するのはリード・ワイズマン、ビクター・グローバー、クリスティーナ・コック、そしてカナダ宇宙庁のジェレミー・ハンセンの4名です。宇宙船はオリオン、多段の推進を担うのはスペース・ローンチ・システムです。ミッション期間は約10日で、月を周回して地球へ帰還する計画です。打ち上げの模様はNASA+やYouTubeなどで配信され、機体や地上設備の進行も順次公表されています。有人深宇宙飛行の本格再開を告げる節目として、多くの関心が寄せられています。

打ち上げ当日の進行と主要イベントの整理

アルテミスIIはカウントダウン最終盤で地上発射シーケンサーに制御を引き継ぎ、推進剤タンク加圧、飛行ソフト起動、地上から機上への制御切り替え、センサー群の最終健全性チェックなどの自動コマンドが連続実行されました。午後6時22分には打ち上げ責任者のチャーリー・ブラックウェル=トンプソンがゴーを宣言し、最終10分のターミナルカウントに移行しています。午後6時35分にSLSの固体ロケットブースターが点火し、RS 25エンジンと合わせて打ち上げ時に約880万ポンドの推力を発生させました。上昇中には超音速到達、最大動圧通過、固体ロケットブースター分離、打ち上げ中止システムの放棄などが予定時間どおりに進行しました。午後6時43分にはコアステージのメインエンジン停止と分離が完了し、上段運用へと移行しています。続いて約18分後に太陽電池アレイの展開が計画され、航法や生命維持などへの電力供給体制が整えられました。

午後6時59分、オリオン宇宙船の太陽電池パネルが完全展開し、4枚のアレイが所定位置に固定され発電を開始しました。欧州サービスモジュール外周から伸びる各アレイに搭載された約1万5000個のセルが太陽光を電気に変換します。2軸回転機構により太陽追尾を行い、軌道上で姿勢が変化しても発電量を最大化します。展開後、オリオンはPRMと呼ばれる近地点上昇マニューバ、さらにARBの遠地点上昇噴射に備え、深宇宙飛行に必要な高エネルギー軌道への遷移準備を進めます。これらの手順により、地球周回の最低点と最高点を順次上げ、月周回へ向けた自由帰還軌道の前段階を整えます。噴射完了後にはケネディ宇宙センターで午後9時から打ち上げ後会見が予定され、続けて近接運用デモの準備に入る計画です。近接運用デモでは分離済みの中間極低温推進段に対する手動操縦能力を検証します。

地上カウントダウンの技術運用と対処事例

地上では端末カウントダウンに向けて、推進剤補給の各段階が詳細な手順に従って実施されました。コアステージや上段に対する液体酸素と液体水素のチルダウン、スローフィル、ファストフィル、トッピング、そして補充運転の切り替えが順当に進み、極低温推進剤の沸騰や圧力変動に対応しながら満量維持が図られました。午後5時には飛行停止システムとの通信不具合が確認されましたが、技術者が検証手順を準備し、午後5時15分までに関連ハードウェアの信頼性テストを完了しています。午後5時57分には打ち上げ中止システムの姿勢制御モーター用バッテリー温度センサーの高温示度が調査されましたが、計測不具合と判断され当日の打ち上げに影響なしとされました。天候判断は好転し、可否見込みは90パーセントまで引き上げられています。午後6時19分には10分前の待機時間延長が決定され、打ち上げウィンドウ運用の柔軟性を確保しました。

SLSとオリオンが担う試験目的と今後の運用

アルテミスIIはアルテミス計画で初の有人飛行として、深宇宙での生命維持システムや運用の実証を主目的としています。オリオンは約63フィートの翼幅となる太陽電池アレイで電力を確保し、深宇宙環境下でのアビオニクス、通信、姿勢制御の継続運用を行います。SLSは離昇時に大推力を供給し、上段が高エネルギー軌道投入と月周回への前段階に寄与します。近接運用デモは分離物体に対する相対操縦の妥当性を示す機会となり、今後の複合ミッションに向けた運用成熟に資する位置づけです。今回の約10日間の飛行で取得されるテレメトリと運用データは、後続の月面着陸や長期滞在、さらには火星探査に向けたシステム整備の基礎になります。当日の配信はNASA+で区切りを迎え、YouTubeでは通し配信が継続される案内が示されています。

企業や組織が参考にできる運用上のポイント

今回の運用では、事前に定義された自動手順と複数の内蔵ホールドを組み合わせ、リスク低減とスケジュール柔軟性の両立が図られました。飛行停止システムの通信不具合に対し、検証方法の迅速な立案と信頼性試験の即時実施で当日打ち上げを維持した点は、重大要件に対するフェイルセーフ設計と独立検証の重要性を示します。極低温推進剤のチルダウンから補充までを細分化し、沸騰や熱衝撃を制御する手順は、温度依存性の高いプロセス制御に応用可能です。乗員安全では、ハッチの気密確認や減圧試験、カウンターバランス機構の負荷配分検証など、単一故障点を洗い出す検査が段階的に実施されました。配信面では、進行の節目と次の計画を明示し、並行してブログで重要更新を継続する多層的な情報提供が実施されています。これらの実務は大規模プロジェクト運営における標準化、冗長化、透明性の確保に通じます。

詳しくは「NASA」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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