人々の生活様式がデジタルの進展で大きく変わるなか、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループとGoogleがリテール領域での戦略的提携に合意しました。生活に自然に溶け込む金融を目指し、AIとクラウドを核に顧客体験の革新を進めるとしています。MUFGはライフステージ総合金融サービス「エムット」を通じて多様な金融機能を提供してきましたが、今回の提携で日常の購買や意思決定までを視野に入れた次世代体験の実装を急ぎます。GoogleおよびGoogle Cloudは検索や動画、地図などに加え、AIとクラウドで社会のデジタル基盤を担っており、その知見を本件に投入する計画です。第一弾はAI領域での協業を中心に据え、金融と日常の境界を低くする取り組みを段階的に進める方針です。
AIエージェントで購買から決済までを支援し自律型金融を推進
両社は、AIエージェントが商品選択から購買、決済実行までを自律的に支援する取り組みを進めます。対象はAgentic CommerceとAgentic Paymentsの領域で、国内での早期実現を見据え協業するとしています。Google CloudはAIおよびクラウド基盤の提供に加え、技術助言や開発支援を行う予定です。MUFGは次世代の決済インフラをGoogle Cloud上に構築し、日本におけるAIエージェント時代の購買と決済の新たなスタンダードの確立をめざします。さらに、同基盤に連携するAIエージェントが意思決定を支援し、負担をかけずにやさしく先導する新しい金融の形を実装する計画です。デジタルに限らず、店舗やリモート相談などリアル接点とも連携し、チャネル横断で一貫した安心感と利便性を提供すると述べています。
データとAIで顧客理解を深めパーソナライズ体験を高度化
MUFGは既にAIを用いたWebページ改善や広告動画生成、個別最適化された情報提供の高度化を進めてきました。今後はGoogle CloudのAIを活用したデータ分析、施策立案、効果検証を通じて、マーケティングのPDCAを高度化し高速化します。これにより顧客体験の継続的な改善を図り、両社のサービスやプロダクト利用者に対して、よりシームレスで最適化された価値の提供をめざすとしています。データとAIの統合により、日常における接点の質を引き上げ、顧客一人ひとりへのパーソナライズを強化する狙いが示されています。取り組みは段階的に連携を深め、継続的な価値創出へとつなげていくとしています。
Googleのサービスと連携し日常に溶け込む金融体験を提供
両社はGoogleが提供する多様な日常サービスと金融を組み合わせ、新しい顧客体験の創出を進めます。具体的には、MUFGのサービス申込者にYouTube Premiumの3カ月無料プランを提供します。ヘルスケア領域では、特定サービス加入者にGoogle Fitbitを提供し、さらにMoneytreeアプリにヘルスケア機能を実装することで、家計管理と健康を組み合わせた新サービスのリリースを予定しています。加えて、GoogleのAIを搭載した次世代3Dビデオ会議システム「HP Dimension with Google Beam」を導入し、手続きや相談での体験向上を図ります。今後もGoogleのサービスとエコシステムとの連携を拡大し、日常における金融体験の広がりをめざすと説明しています。
今後の展望と各社コメント
本提携はAIとクラウドを起点に、Googleのサービスやエコシステムとの連携を段階的に深める構想です。人々の日常のあらゆる場面で金融が自然に利用される世界の実現を目指すとしています。Google LLCのヒロシ・ロックハイマー氏は、日本で金融サービスを安心して身近に利用できるよう支援する重要な機会だと強調しました。グーグル・クラウド・ジャパン合同会社の三上智子氏は、セキュリティやプライバシー、ガバナンスを重視しつつ、データとAIの活用で顧客価値創出に貢献すると述べています。MUFGの半沢淳一氏は、本提携が日常に根ざしたデジタル体験とMUFGの強みの掛け合わせにより、社会全体に持続的な価値をもたらす重要な一歩であるとコメントしました。両社はリテール領域における顧客体験の進化に向け、戦略的提携を強化していく方針です。
詳しくは「Google Cloud Japan Team」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















