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AIが災害情報をリアルタイム整理。山口市で報告書作成7割削減の実証

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高頻度で人員が入れ替わる自治体の現場で、電話対応の品質ばらつきや情報共有の遅れをどう防ぐかが課題となってきました。株式会社コアは山口県山口市 防災危機管理課と連携し、災害時の電話受付支援システムに生成AIを適用する実証実験を実施しました。実証は2026年2月3日から4日、12日の計3日間にわたり実施され、目的は電話対応の効率化と初動対応の迅速化です。結果として、通話内容からの自動要約や報告書自動作成、入力漏れの指摘などの機能が確認されました。報告書作成にかかる時間が7割程度削減される可能性が評価され、手書き記録の負担軽減につながることが示されました。多言語での文字起こしと自動翻訳要約の有効性も確認され、職員の心理的負担を和らげる効果が期待されています。

実証の背景 災害対応における電話業務の課題を可視化

発災時には自治体に膨大な電話が集中し、限られた人員での対応が求められます。人事異動が頻繁な環境では、新任や応援の職員が初動対応を担う場面も多く、聞き洩らしの発生や入力情報の正確性の確保、迅速な情報共有が大きな論点でした。山口市と株式会社コアは、生成AIを用いて電話対応の省力化と品質の平準化を狙い、現場起点の検証に取り組みました。実証では、音声認識と文字起こし精度、災害情報報告書の自動作成、入力漏れ指摘とアドバイス、外国語での文字起こしと自動作成という四つの観点を設定しました。経験の浅い職員や応援職員でも、生成AIの補完により適切で迅速な情報収集が可能になる運用を目指しています。検証設計は、本格導入前の事前評価として位置づけられました。

実証結果 音声認識の実用性と報告書自動化の効果

音声認識と文字起こしの正確性は5段階で3.9というアンケート平均値が示され、方言やオノマトペも業務支障のない水準で処理されました。災害情報報告書の自動作成では、通話内容から氏名、連絡先、住所の即時入力と要約の的確さが確認され、報告書作成時間の7割程度削減の可能性が評価されています。入力漏れの指摘とアドバイス機能は業務支援の効果が5段階で3.8と評価され、有効性が示されました。一方で、UI設計をはじめ運用面での改善余地が挙げられています。外国語対応では、中国語、フランス語、韓国語、スペイン語の通話を即座にテキスト化し、翻訳された要約に基づく報告書の自動生成を確認しました。これらの機能により、手書き記録の負担が軽減され、初動対応の質とスピードの底上げが期待されます。

現場評価 実運用を望む声と心理的負担の軽減

実証には発災対応の担当リーダー4名を含む、多数の対応予定者が参加しました。アンケートでは85%が5段階評価の最高評価を選択し、実運用を希望する意見が大半となりました。山口市 防災危機管理課の大田様は、リアルタイム文字起こしと報告書への自動反映が経験差を補完し、初動対応の質とスピード向上に寄与するとコメントしています。多言語対応の実用性についても、外国人市民や観光客からの問い合わせにおいて、心理的負担を抑えつつ的確な情報整理が可能だと評価しました。実証期間中は、現場の意見を踏まえた改善提案や将来の拡張性の説明が行われ、単なる技術検証にとどまらない成果が得られています。参加者の高い評価は、現場の課題解決に直結する手応えを裏づけています。引き続き、実運用に向けた論点の洗い出しが進みます。

今後の展望 状況把握と情報共有に強い意思決定ツールへ

株式会社コアは、実証のフィードバックを反映し、単なる文字起こしを超えた意思決定ツールへの進化を掲げています。地図連携やUI改善、地名や独自名称の認識精度向上など、実運用を見据えた機能強化を推進します。地名などの継続学習によって報告書作成の更なる効率化が見込まれ、初動の情報整理から共有までのリードタイム短縮が期待されます。多言語処理の品質向上も、増加する外国人対応の現場で価値を高めます。費用対効果の検討や運用課題の整理を進めながら、導入規模や体制の具体化に向けた意見交換を継続します。災害時に安心して使えるセッティングを整え、初動対応の効率化と職員の心理的負担軽減の両立を図る方針です。株式会社コアは社会や産業の課題解決を掲げ、ICTの企画から開発、運用まで一貫した提供体制を強みに取り組みを加速します。

詳しくは「株式会社コア」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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