2030年代の商用化が見込まれる6G。ソフトバンクはセンチメートル波やテラヘルツ、AI融合、NTNなど多面的に開発を進めています。2025年には7GHz帯の屋外実証を国内通信事業者で初めて開始と発表しました。技術軸ごとの到達点と次の焦点を簡潔に整理します。
仕様検討の現状と技術開発のフォーカスを一気に読み解く
6Gは5Gの超高速、超低遅延、多数同時接続をさらに高め、高信頼性とエネルギー効率の向上が期待されています。ソフトバンク先端技術研究所は、この要件を踏まえ「AIと通信の融合」や無線技術の活用領域拡大を進めています。標準化はITU-RのIMT2030ビジョンのもとで進展し、3GPPではRelease 19で5G-Advancedを策定中とされます。6Gの具体仕様はRelease 21からの本格化が見込まれ、商用展開は2030年頃と示されています。
周波数では、既存のFR1とFR2に加え、7.1GHzから24.25GHzをFR3として定義する動きが紹介されています。センチメートル波はミリ波より減衰が少なく、回り込みの性質からエリア設計で優位性が語られています。ソフトバンクはNokiaと連携し、7GHz帯の屋外実証を2025年6月に国内通信事業者で初めて開始したとしています。さらに、2025年11月には都市部で7GHz帯のカバレッジと通信品質を確認した実証を公表しています。
通信とセンシングの融合では、5G基地局を活用した人や車の位置情報取得の実験を進め、CSIセンシングとAI活用の実証にも取り組んでいます。AI-RAN構想では、AIアプリケーションとRANを同一基盤に統合し、特にLayer1の信号処理最適化を狙う方針です。これらは5Gと6Gに跨る共通化可能な技術として位置付けられています。
ユビキタス接続の実現に向け、非地上系通信NTNの中核としてHAPSの研究開発を継続しています。成層圏プラットフォームによる広域接続は、人やモノが常時つながる社会の基盤として期待が示されています。超高速大容量の加速では、0.1から10THzのテラヘルツ通信に注力し、屋外エリア構築の実証や専用アンテナの開発を進めています。
さらに、干渉の少ない光を用いる光無線の研究開発で、高いセキュリティーと大容量通信の可能性を探索しています。セキュリティー分野では、量子計算の進展を見据えた耐量子暗号PQCの研究により、将来の暗号リスクに備える取り組みを示しています。2021年には「Beyond 5G/6Gに向けた12の挑戦」を掲げ、以降も研究開発の加速を継続すると結んでいます。
見解 ソフトバンクは標準化ロードマップと実証の両輪で前倒しの検証を進め、周波数、AI、NTN、セキュリティーまで領域横断の体制が特徴です。FR3やテラヘルツでの実証成果は、都市部のエリア設計と高スループットの両立に具体的な示唆を与えます。
詳しくは「ソフトバンク株式会社」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















