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顔認証は本当に普及する? 利便性への期待高まる一方、安全性への不安は7割超

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国内で顔認証の体験が着実に広がっています。MM総研の調査では、顔認証の利用経験者は50%に達し、そのうち公共施設や交通機関での利用経験者は30%でした。空港や駅、病院など社会インフラでの活用が浸透し始めていることがうかがえます。一方で、情報漏えいや同意なき目的外利用への不安は根強く、利用者の七割以上が懸念を示しました。利便性面では、手ぶらで本人確認ができる点を66%が評価し、導入メリットへの期待も高い結果です。導入時に重視されるのは不可逆な秘匿加工や正確性、スタッフのフォロー体制などで、技術と運用面の信頼性が条件となっています。因子分析では、消費者は演出やお得感よりも、安全性と基礎技術を約四倍重視する傾向が明確になりました。

公共・交通機関での顔認証体験は30% 利用を阻むのは「機会の不足」

生体認証の利用経験は62%、顔認証に限っても50%が経験ありとされています。公共施設や交通機関での顔認証経験は30%に到達し、社会実装の裾野が広がっています。公共の場で利用しなかった理由は「機会がなかったから」が75%で最多となり、環境整備が進めば利用が進展する可能性が示されました。プライバシー保護の観点での恐れや不安を理由に挙げた割合は10%にとどまっています。対象は15歳以上の日本在住者2万83人で、2026年2月から3月にかけWebアンケートで調査されました。公共施設や交通機関という日常動線での体験が一定規模に達し、次段階の普及フェーズへの移行が見込まれます。まずは利用機会の創出が、普及の初期ボトルネックを解消する鍵となります。

不安の中心は「情報漏えい」と「同意なき目的外利用」 対策と情報開示が前提条件に

公共領域で顔認証を利用した1,000人に不安点を尋ねたところ、情報漏えい時の悪用リスクが78%、同意なき目的外利用が76%と高い結果でした。六つの設問すべてで不安を感じるとの回答が七割以上に達し、制度設計と運用の透明性が不可欠であることが浮かび上がりました。公共サービスとしての信頼を担保するためには、収集と保管、利用と削除の各段階での管理ルールの明確化が求められます。対策の実装だけでなく、わかりやすい情報開示が利用意思の形成を後押しします。利用環境が整っていない段階では利用を避ける傾向があるため、現場での説明と選択肢の提示も重要です。利用拡大と並行して、リスク対策の可視化を進める取り組みが前提となります。

66%が「手ぶらで本人確認」を評価 技術と運営の信頼性が導入の分水嶺

手ぶらで本人確認ができる点について、期待するとの回答は66%でした。マイナンバーカードの提示や機器への接触が不要となる利便性が高く評価されています。一方で、実装に際して重視されるのは不可逆な秘匿加工が87%、スタッフによるフォロー体制が86%、正確性が85%といずれも高水準でした。利便性の裏付けとして、個人情報を保護する技術仕様と、誤作動時に対処できる運用体制が求められています。導入現場では、案内やヘルプの人的サポート、障害時の代替手段の確保が信頼度を左右します。技術の高度化と運用の丁寧さが両輪となり、社会受容を支える要件であることが確認されました。期待と不安が併存する局面で、導入側の説明責任も問われます。

消費者は「技術と安全性」を「パーソナライズと体験価値」の約四倍重視 因子分析で重要度が明確化

因子分析の結果、重視点は二つの因子に整理されました。不可逆な秘匿加工や正確性などの「技術と安全性」と、パーソナライズやわくわく感などの「体験価値」です。両者の固有値は前者が6.1、後者が1.6であり、技術と安全性の重要度は体験価値の約四倍に相当します。現時点では、顧客体験の演出よりも、確実に安全に動作することが受容の大前提となっています。公共施設や交通機関という特性上、誤認や情報流出の許容度は低く、安全性の基礎を固めることが最優先の示唆が得られます。技術の評価基準と運用ガバナンスの整備は、実際の利用意向を左右します。利用の場面設計においても、まず安全性の説明と確認手順が求められます。

サスティナブルな技術提供へ 不安解消と基盤技術の強化が普及のカギ

調査は「手ぶら、スマホフリー」への期待と、不安の同居を可視化しました。普及のためには、顔情報の不可逆化や精度向上に加え、分散型台帳を活用したDIDなど、より安全なID管理の適用が重要とされています。経済的インセンティブは関心項目であるものの、まずは安全性を支える技術と運用の信頼確立が優先されます。継続的な技術開発と、現場での丁寧な運用説明が社会受容の前提条件です。公共・交通機関での実装は、利便と安心を高い水準で両立させるサスティナブルな仕組みづくりが鍵となります。MM総研は、こうした観点からの技術と運用の両面強化が、今後の顔認証インフラの普及に必要だとしています。

詳しくは「(株)MM総研」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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