株式会社インフォマティクスは、ChatGPTやClaudeなどの生成AIに自然言語で指示するだけで、GISデータの検索、取得、資料化までを自動で完結できる「空間情報 MCPサーバー」を開発しました。これにより、例えば「周辺の避難所の情報をまとめて」と伝えるだけで、位置の特定から一覧表の作成までの一連の作業が自動化されます。背景には、自治体公開型GISの普及で多様なオープンデータが増える一方、資料化の際に地図からの転記や画像編集に手間がかかる実務課題がありました。今回の新サーバーは、GISのデータ資産をより手軽に活用できるよう、生成AIとの連携を前提に設計されています。提供開始は自治体公開型GIS「GC Navi」向けからで、同社のその他製品にも順次展開する予定です。株式会社インフォマティクスは「未来を創る 空間情報イノベーションカンパニー」を掲げ、社会のDX推進に寄与する方針を示しています。
開発の背景 オープンデータの活用と資料化の手間を同時に解消
自治体公開型GISの普及に伴い、都市計画や防災、福祉施設、観光情報など、多種多様な地理空間データが公開されています。実務では、必要な情報を地図上で見つけ、テキストや数値を転記したり、地図画像をキャプチャして編集したりする工程が発生し、作業時間が肥大化しがちでした。特に部署横断の報告資料や住民向け配布物など、データ抽出から体裁整備までの一連のプロセスに手間が集中していました。空間情報 MCPサーバーは、こうした転記と整形の作業を生成AI側で自動化し、GISと文書の間を橋渡しする役割を担います。自然言語の指示だけで必要なデータを抽出し、表形式へ整形して資料に埋め込む流れを支援します。結果として、オープンデータの活用頻度とスピードが高まり、情報発信や意思決定の迅速化が期待されます。開発意図は、GISの価値を可視化しやすい成果物の形にまで拡張する点にあります。
機能の要点 自然言語指示で検索から表作成、資料組み込みまでを自動化
空間情報 MCPサーバーは、生成AIとGISをMCPで接続し、自然言語のプロンプトを起点に一連の処理を自動化します。たとえば「指定地域の避難所一覧を表にして資料に埋め込んで」と入力すると、対象エリアの特定、関連データの検索と取得、表形式への成形、資料化までを行います。ITに不慣れな利用者でもチャット画面で指示するだけで済み、情報探索とドキュメント整形の負荷が大きく軽減されます。データの一覧化や地図画像の取り込みが必要な場面で、反復作業を置き換えられる点が特徴です。想定ユースケースとして、避難所の一覧作成と位置確認、地図画像の資料埋め込みなどが挙げられています。処理の主眼は、GISの枠を超えて最終成果物に至る一連の作業を短時間で完結させることにあります。これにより、資料作成の前提となる下ごしらえが定型化され、作業時間の見通しも立てやすくなります。
既存のAIチャット機能との違い 利便性向上と成果物自動化の役割分担
株式会社インフォマティクスは先に、自治体公開型GIS上での検索や情報閲覧を支援するAIチャット機能を提供しています。AIチャット機能はGIS画面上で目的地や情報に素早く到達するための操作支援であり、ポータルの利便性を高める役割を担います。一方で空間情報 MCPサーバーは、データ収集から表の整形、資料への組み込みまで、GISの外側へと続く業務全体の効率化を目的にしています。すなわち、前者はGIS内の探索支援、後者は成果物化までの自動化という補完関係にあります。どちらの機能も、同社のGISを導入している自治体にオプションとして提供される位置づけです。利用者は目的に応じて機能を使い分けることで、地図閲覧から資料化までの一気通貫のワークフローを構築できます。役割の明確化により、導入検討時の評価観点も整理しやすくなります。
対象と提供範囲 GC Naviから開始しその他製品へ順次展開
提供開始の対象は、自治体公開型WebGIS「GC Navi」で、今後は同社のその他製品にも順次提供を拡大する計画です。GC Naviは、都市計画や防災、子育て支援、公共施設など、自治体が保有する多様な地理空間情報を公開、共有する基盤として機能します。都道府県や政令指定都市を含む全国38自治体に導入されており、住民向け情報発信の核となるWebGISとして活用されています。空間情報 MCPサーバーへの対応により、公開データを成果物化するまでの一連の作業が効率化され、部門間の連携や住民向けの発信にも波及効果が見込まれます。GC Naviでの提供実績を踏まえ、その他の製品ラインにも機能展開が進む見通しです。拡張後は、対象分野や導入先の広がりに応じて、ユースケースの多様化も進むとされています。
想定利用シーンと利用者像 部署横断の資料作成や地域の現場活用まで
想定シーンとして、GISの地図画像を資料に埋め込みたいケースや、避難所情報の一覧化と地図上での位置確認などが挙げられます。対象となる利用者は、同サーバーに対応するGISを導入する自治体の都市計画、防災、福祉、観光などの各部署です。さらに建築、不動産、観光分野の事業者、地域の学校、自治会など、幅広い主体の活用が見込まれています。自然言語指示が中心となる運用のため、専門のGISオペレーションに不慣れでも活用しやすい点が特徴です。資料作成の初動から整形までの反復工程を短縮できれば、現場での確認や説明に注力できるようになります。データ入手から共有までの時間を短縮し、コミュニケーションの即時性を高める足回りが整います。
今後の方針 生成AI連携の強化で空間データ活用を拡張
株式会社インフォマティクスは、空間情報 MCPサーバーを皮切りに、生成AIをはじめとする先端技術との連携機能を拡充していく方針です。まずはGC Naviでの提供から開始し、利用現場のニーズを踏まえてその他製品へも順次展開します。目的は、GISのデータ資産をより多くの人が手軽に享受できる環境を整備することにあります。オープンデータの利活用促進と資料化の自動化が同時に進むことで、自治体の情報発信や意思決定のスピードが高まる効果が期待されます。データ探索、整形、可視化の流れに生成AIを組み込むことは、社会のDX推進に資する取り組みと位置づけられます。提供範囲の段階的な拡張により、運用知見の蓄積と機能改善のサイクルも加速していきます。
詳しくは「株式会社インフォマティクス」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















