自宅やオフィスの駐車場などに整備士が訪問し、車の整備や点検を行うSeibii。全国47都道府県で累計40万台を手がけ、登録整備士は1,000名を超える。出張整備を全国へ展開する中で、現場の技術力だけに頼るのではなく、品質を維持するための仕組み化や標準化にも取り組んでいます。今回は、こうした取り組みの背景や整備士の働き方、今後目指す姿について、木岡氏にDXマガジン編集部 茂木が話を伺いました。
車が好きだからこそ、業界の変革に挑戦したい
茂木:まず、これまでのキャリアについて教えてください。
木岡氏:もともと車とかモビリティが大好きな人間でして、新卒で日産自動車に入って、車の設計開発を7年ほどやっていました。その後、戦略コンサルティングファームで大手自動車メーカーを中心に、事業戦略や技術戦略の立案支援を3年ほどやらせていただきました。やっぱり自分としては、業界に何か大きな変革だったり、チャレンジしたいなという思いがありました。車は自分の好きな領域でもあるので、そこで実際にチャレンジできるところに行きたいと思ったという感じです。

全国に広げるために、整備を「仕組み化」する
茂木:Seibiiのサービスの特徴はどこにありますか。
木岡氏:お客様の個人宅だったり、オフィスの駐車場だったり、車が使われているところを訪問して、整備・点検をするところから事業を開始しています。工場と違って、設備や周りに先輩がいる環境ではありません。それを全国規模で展開しようとすると、仕組み化して、システムに乗せて、標準化していくことがめちゃくちゃ重要になります。
現場の一次情報を理解しながら仕組みを標準化して、内製のプロダクトに載せていく。現場とテクノロジーの両輪を持っているのが、我々のユニークな強みだと思っています。

茂木:整備士さんと作業のマッチングも工夫されていますよね。
木岡氏:整備といっても、いろんな作業があります。作業の難易度を見ながら、整備士さんそれぞれのスキルレベルとの組み合わせを管理しています。経験が少ない方には、最初はあまり難しい作業をお願いせず、簡単な作業から入っていただく。経験を積みながら徐々にランクを上げて、より難しい、単価の高い作業をお願いできるようにしています。
茂木:仕組み化する中で、難しさもありましたか。
木岡氏:経験を積んだ整備士さんたちは、自分のやり方にプライドを持っている方が多いです。なので、我々の仕事のやり方に乗っていただくところは難しいですね。ただ、記録を残すことは、お客様への説明責任だけじゃなくて、整備士さんを守ることにもつながります。作業前からあった傷などを残しておけば、後から指摘されたときにも説明できます。ただ「情報を入れてください」ではなく、作業を支援するところまで含めて仕組みにすることを心掛けています。

整備会社にとどまらず、業界全体を支える存在へ
茂木:今後はどんな姿を目指していますか。
木岡氏:我々は、整備会社で終わりたいわけではないです。例えばレンタカー会社さんなら、整備で車を貸し出せない期間を減らして、車を走らせられる期間を一日でも増やせば、その分売上も上がります。整備は削るべきコストではなく、事業が止まるかどうかを決める制約条件なんです。ただ整備を受託するだけではなく、お客様側の業務プロセスにも入って、一緒に課題を解決するパートナーになっていきたい。最終的には、業界全体の「オペレーティングシステム」のような存在になりたいと思っています。
DXマガジン編集部/戸田




















