企業や教育機関、医療機関、行政機関まで被害が広がるランサムウェアは、端末やサーバ内のデータを暗号化し復元と引き換えに金銭を要求する不正プログラムです。国内でも受発注システムが侵害され操業停止に至った事例があり、被害は深刻化しています。近年はネットワーク機器やVPNの脆弱性、弱い認証を突く侵入が目立ち、盗んだデータを公開すると迫る二重恐喝が主流です。暗号化せず窃取だけで金銭を求める手口も確認されています。業務継続への影響が大きいため、日常の備えと初動の徹底が重要です。内閣府政府広報室は、個人と組織それぞれが取るべき具体策を示しています。
まず未然防止では、OSやソフトウェア、機器のファームウェアを最新に保ち脆弱性を残さないことが基本です。ウイルス対策ソフトやEDRを導入し最新状態で管理し、多要素認証やアクセス制限で認証を強化します。ファイアウォールやIDS IPS、メール送信ドメイン認証で不審な通信やメールを遮断します。権限は必要最小限に設定し、端末やネットワークのアクセス範囲を限定します。ログ監視や振る舞い検知で異常を早期に把握し、バックアップは定期取得のうえネットワークから切り離して保管し、復旧手順も平時に確認します。個々の社員は不審メールやリンクを開かないこと、十分な長さと複雑性のあるパスワード設定、サービスごとの使い分け、無許可インストールの禁止、継続的なセキュリティ教育を実践します。長期休暇明けのメール確認にも注意が必要です。
被害発生時は、感染端末を直ちにネットワークから隔離し、有線はケーブルを抜き、無線は機内モードやルータ停止で遮断します。端末の電源は切らず、復元に必要な情報を保持します。組織全体で状況を把握し、必要に応じて支店や提携先にも速やかに連絡します。金銭を支払っても復号や非公開が保証されないため、警察への相談や通報を行い、所管省庁、取引のあるセキュリティ企業、IPA、JPCERT CCへも連絡して指示に従います。国際プロジェクトのNo More Ransomでは一部の復号ツールが提供されており、種類判別後に復号可否の確認が可能です。平時からのセキュリティ教育と業務継続計画の整備、関係機関への連絡手順の明確化が、被害の拡大防止と復旧の迅速化につながります。
詳しくは内閣府政府広報室の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















