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「自分で選んだ」はずがAIに選ばされている? 政府が消費者への影響を議論

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生成AIに「自分に合う商品を教えて」と相談し、そのまま購入する。そんな買い物が当たり前になれば、消費者と企業の関係も変わるかもしれません。内閣府の消費者委員会は2026年9月10日、第9回「人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会」の資料を公開しました。専門調査会では、AI技術の利用拡大を踏まえ、消費者の意思決定にどのような影響やリスクが生じるのか、その対応を検討しています。

AIは「情報を探す」から「意思決定する」存在へ

これまでインターネットで商品を選ぶ場合、消費者自身が検索し、表示された情報を比較して判断するのが一般的でした。しかし、対話型AIでは状況が変わります。今回の資料では、AIとの対話を通じて消費者の状況や迷い、感情、価値観などを踏まえ、情報をパーソナライズできるようになっていると整理しています。

さらに、消費者自身がまだ明確にできていない好みやニーズを対話のログから推論し、それに合った商品を提案することも可能になっています。専門調査会では、AIが意思決定の材料を提供する段階から、技術的には「意思決定自体を代替することが可能となりつつある」としています。

自分で選んだつもりでも、AIに影響されている?

便利になる一方で、消費者の意思決定への影響も論点になっています。資料では、対話型AIやエージェント型AIによる変化として、情報の要約から購入誘導までがシームレスになることや、AIが個人の反応を観察し、どのタイミングでどのような情報を与えれば行動変容につながるのかを学習できることなどが挙げられています。

また、長期的な対話によって消費者の心理的な特徴をより細かく推定できる可能性も指摘されています。AIとの会話が個人化され、継続的になるほど、消費者自身が「AIからどの程度影響を受けたのか」を認識しにくくなる可能性があります。

偽情報や「AIへの依存」も課題に

検討されているのは、買い物への影響だけではありません。専門調査会では、生成AIによる偽・誤情報、プライバシーへの影響、消費者の行動を予測した操作、ダークパターンなど、従来から存在した問題がAIによって増幅する可能性を整理しています。

さらに、対話型AI特有の問題として、利用者への「迎合」やAIの擬人化などが、消費者のAIへの依存傾向に悪影響を及ぼす可能性も論点となっています。AIが便利なアシスタントになる一方、AIが意思決定に与えた影響を、消費者自身が認識しにくくなることが、新たな消費者問題になり得ます。

「AIを使う人」だけの問題ではない

専門調査会が注目しているもう一つのポイントが、企業側によるAI利用です。資料では、AI技術の事業者による利用が消費者の意思決定プロセスに及ぼし得る影響やリスクを適切に把握・評価し、必要な環境整備を進める必要性が論点となっています。

つまり、消費者自身がAIを使う場面だけではなく、商品を提案する企業側がAIを使うことで、消費者の選択にどのような影響が生まれるのかも検討対象です。AIが社会に広がるほど、「AIを正しく使えるか」という個人のリテラシーだけで消費者を守ることには限界があります。専門調査会では、個人のリテラシー向上とあわせ、消費者の意思決定へのリスクに対応するための環境整備を具体的に検討する必要があるとしています。

9月18日にも次回会合

専門調査会は今後も議論を続けます。次回の第10回会合は9月18日に開催予定で、「消費者によるAI技術の適切な利活用に向けて」をテーマに、AIが消費者の意思決定プロセスに与える影響について、主要法域の制度的対応に関する委託調査の報告や有識者ヒアリングが予定されています。

AIが商品を探すだけでなく、消費者の好みを理解し、提案し、行動まで支援するようになれば、企業にとって「AIをどう使って売るか」だけではなく、「消費者の意思決定をどう守るか」も重要なテーマになりそうです。

詳しくは内閣府・消費者委員会「人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会」をご確認ください。レポート/DXマガジン編集部

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