株式会社帝国データバンクは、2026年8月のアパレル業界の景気DIが35.2となり、全産業の44.6との差が9.4ポイントに広がったと示しています。6月から8月は3カ月連続で36を下回り、2022年秋以来の低水準です。年初は冬物のクリアランスや訪日需要で1月から2月にかけて回復した一方、3月は天候不順で35.6に低下しました。4月と5月は人流回復で一時持ち直したものの、生活防衛意識の高まりで定価商品の伸びが鈍化しました。夏場は需要減退が鮮明で、7月は33.9に急落し、2022年9月以来の水準となりました。酷暑による客足減とセール不振が重なり、アパレルの景況悪化を強めています。
販売面では対応の差が表れ、大手百貨店や有力アパレルの一部は正価販売期間の確保に向け、クリアランスの後ろ倒しや盛夏商品の販売延長などMD改革を進めました。反面、資金繰りを重視する中小や従来型のSCテナントでは、6月下旬からの先行セールで客数確保を狙う動きが続きました。しかし異例の猛暑が長期化した今年は、盛夏の実需ピークに粗利を削って販売し、8月に夏物在庫が枯渇する悪循環が発生しました。市場全体でも低迷が続き、商業動態統計では織物・衣服・身の回り品小売業の販売額が6月に前年同月比14.4%減、7月も6.6%減でした。家計調査でも二人以上世帯の「被服及び履物」の実質支出が6月に18.5%減となり、生活必需分野への支出増が衣料品を圧迫しています。値引きへの反応は鈍化し、実用性やリセール価値を重視した選別消費が定着しました。
気候変化への対応として、暦を前提にした販売スケジュールの見直しが重要とされています。残暑が続くなかで重衣料を早期投入すると在庫滞留や値下げ増に直結するため、通気性や吸汗速乾性に優れた晩夏から初秋の実需商品を中心に据える運営が有効です。ウールコートやダウンなどは気温低下に合わせて投入時期を柔軟に後ろ倒しできるよう、生産と物流の体制再編が求められます。さらに、実店舗とECの在庫一元管理やショールーミング対応、気象データと連動したデジタル訴求など、オムニチャネル戦略の強化が鍵となります。
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