物価高が続く中、政府は2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を8%から1%へ引き下げ、その後8%へ戻し、給付付き税額控除へ移行する基本方針を示しています。株式会社帝国データバンクは、2026年8月に全国2万2,060社を対象に企業の見解を調査し、有効回答は1万560社でした。日本経済の活性化につながるとの回答は18.0%にとどまり、つながらないは54.5%、分からないは27.4%でした。自社売り上げへの影響は、変わらないが76.9%で最も多く、増加は7.9%、減少は3.1%、分からないは12.0%でした。期待売上増減率を試算すると全産業で+0.16%と小幅で、企業は効果を限定的に見ています。一方で、家計の余裕による波及効果を期待する声と、コスト上昇で価格に反映しにくいとの慎重な見方が並存しました。
業種別では明暗が分かれました。飲食料品小売は40.9%が増収を見込み、期待売上増減率は+1.58%でした。各種食料品小売は+2.63%、料理品小売は+1.35%、飲食料品・飼料製造は+1.14%でした。対照的に、飲食店は46.9%が減収を見込み、期待売上増減率は▲3.94%と厳しい見通しです。旅館・ホテルは▲0.74%、食堂・料理店等は▲3.53%、酒場・ビヤホール等は▲7.57%でした。飲食料品卸売は、増収26.0%、減収18.9%ながら、想定幅の違いから期待増減率は▲0.31%です。乾物・缶詰等は+2.16%、一方で酒類は▲2.98%、穀類・豆類は▲1.84%、野菜・果実は▲0.64%と分かれました。外食から内食・中食への需要移動が背景にあり、食品小売は追い風、外食は逆風との見立てが数字に現れています。
実務面では、政策実施と終了の双方で発生する価格表示やレジ、会計システム変更の負担が指摘されました。期間や対象範囲の設計により、消費の反動や業務負担が左右されるため、十分な準備期間の確保が求められます。販路によって影響が異なるため、家庭向けと業務用の動きを分けて把握し、販売価格や数量の推移を継続的に検証することが重要です。外食・宿泊業への影響や税率区分、財源、2年後の移行方針を分かりやすく説明することは、企業の予見可能性確保につながります。なお、本調査は政府が示す基本方針を前提に2026年8月18日から31日に実施され、期待売上増減率は政策効果の予測ではなく、回答分布からの試算値です。
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