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コラム

AXとは何か? ― AXとはDXの次ステージ【AXとは何か?人と企業はどう進化するのか。第1回】

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「DX」という言葉がすっかり定着したと思ったら、最近は「AX(AIトランスフォーメーション)」という言葉を目にする機会が増えました。似たような横文字がまた出てきた、と感じる方も多いかもしれません。その正体は、DXが次のステージに入ったと捉えてください。

DXは、デジタル技術を使って業務プロセスやビジネスモデルを変革することでした。紙をデータに変え、対面の手続きをオンラインに変え、バラバラだったシステムをつなげる。主役は「人が使う道具としてのデジタル」であり、判断や意思決定の主体はあくまで人間でした。

一方でAXは、AIそのものが判断や提案、時には実行までを担う変革を指します。DXが「道具のデジタル化」だったとすれば、AXは「知的作業そのものの変化」です。文章を書く、資料をまとめる、傾向を分析する、次の一手を提案する。従来「人がやるもの」とされてきた仕事の一部を、AIが担い始めています。

なぜ今、この言葉が急速に広まったのか。理由は明確で、生成AIの登場によって「AIが自然言語で指示を理解し、人間並みの成果物を返す」ことが現実になったからです。特定業務に特化した「道具」だったAIは、業務を横断して使える「汎用的な知的パートナー」に近づきました。この違いが、DXとAXを分けています。

ここで大事なのは、「AIを導入すること」と「AXを実現すること」は全く別物だという点です。チャットツールを一つ導入しても、それだけでは会社は何も変わりません。AXとは、AIを前提に業務の設計そのものを見直し、組織のあり方や人の役割を再定義していくプロセスです。道具を一つ置くことと、変革を起こすことの間には、想像以上に大きな距離があります。

もう一つ押さえておきたいのは、AXは一気に完成するものではないという点です。DXがそうであったように、AXも段階を踏んで進んでいきます。最初は個人が業務の一部で使ってみる段階、次にチーム単位で業務プロセスに組み込む段階、そして最終的には組織全体の意思決定の仕組みそのものが変わる段階へと進んでいきます。今、多くの企業は最初の段階にいるにすぎません。だからこそ、早い段階でこの変化の本質を理解しておくことに意味があります。

次回は、この変化が実際の仕事の現場でどのように起きているのかを、業種を問わず共通する変化として見ていきます。

【AXとは何か?人と企業はどう進化するのか。第1回】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
富士通、ソフトバンクを経て99年に現セブンネットショッピングを設立。セブン&アイHLDGS.取締役執行役員CIOとしてグループのデジタルトランスフォーメーションを推進。17年にデジタルシフトウェーブを設立し現職。日本オムニチャネル協会会長等も務める。

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