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インタビュー

スーツ業界の常識を破る、はるやまEC部の挑戦のルーツとは?

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スーツでおなじみのはるやま商事だが、EC事業の拡大にも力を入れようとしています。今回お話を伺ったのは、はるやま商事のEC部門を率いる高橋努氏と越田耕一氏。前職でアパレル業界のECに携わっていた越田氏は、2022年に中途入社したばかりです。常識にとらわれない二人の取り組みは、社内に変革の波を起こせるのか? はるやまEC事業の未来を担う二人のインタビューを通して、その想いに迫ります。(聞き手:デジタルシフトウェーブ 海道理彩)

コロナ禍がもたらした社内意識の変化

ーーまず、お二人の経歴と事業内容について教えてください。

高橋:
私はもともと新卒でEC部門に配属された後、システム部門に異動しました。そこで半年間、業務改革や新規事業に関わった後、再びEC部門に戻ってきました。様々な経験を通して得た知識やスキルを活かして、ECサイトの売上拡大に貢献していきたく、日々奮闘しています。

越田:
私の前職はアパレル企業で、MDやECの業務等幅広い分野に渡って業務に携わっており、はるやま商事には2022年に入社いたしました。これまでアパレル業界で培ってきた視点と、ビジネスウェアという視点が異なるため、それらをうまく活かしながら、より良いコンテンツを提供していきつつ、社内に新しい風を吹き込みたいと考えています。

ーー新しい風を吹かせる、転機となる出来事はありましたか。

高橋:
新型コロナウイルス感染症がまん延した頃、ECサイトは顧客との重要な接点としての役割を担うようになりました。EC部門としては、大変な時期も迎えましたが、ECの重要性が再認識されたという点では、プラスに働いたと考えています。コロナ前はECの運用が単なる作業に過ぎなかったものの、コロナ禍に突入したことにより、ECサイトを通じていかに顧客に魅力的な情報を伝えていくかという視点が重要視されるようになりました。

越田:
実店舗では商品の種類がどうしても限られてしまいますが、ECサイトであれば顧客はより多くの商品の中から自分の好みに合ったものを選ぶことができます。顧客との接点を強化し、ECサイトの売上を拡大するためには、顧客一人ひとりに最適な情報を提供する必要があります。そのためには、顧客の購買履歴などを分析し、それぞれの顧客に合ったコンテンツを配信していくことが重要です。最近では、メルマガの配信にしか使われていなかったマーケティングオートメーション(MA)ツールを、顧客データ、店舗データ、アプリデータと連携させることで、顧客との接点を強化するツールへと進化させました。また、データの自動収集やコンテンツ配信の自動化も可能になり、オールインワンでの最適化に活用しています。

写真:はるやま商事 EC部 部長 高橋 努氏

ーーなるほど。実際に効果はどうですか?

越田:
各担当者から「こんなアイデアはどうでしょうか?」といった意見も出始めており、徐々に効果が現れています。例えば、これまではECサイトのみを利用していた顧客に対しても、店舗の情報を案内できるようになりました。もちろん、顧客の意向を尊重し、情報を送りたくないという方には配信しないように配慮しています。事業部が開発した商品をターゲットの分析を基にECに差し込んで販売することで、店舗を利用するお客様にECサイトを通じて次回の店舗利用までの間を埋めていただくことが可能になりました。お客様からは「ECサイトの方が買い物しやすい」との声も多く寄せられており、今後も幅広い商品を提供していければと思います。
さらに、顧客とのコミュニケーションを円滑にするだけでなく、担当者同士が情報を共有するためのツールとしても活用されています。今後は、このツールを最大限に活用し、顧客に対してよりパーソナルなアプローチを行っていきたいと考えています。

高橋:
ECサイトの運営に必要なツールや集客手法は、日々進化しています。そのため、人材育成は非常に重要だと考えています。特段EC部門では他の部署と比べて、チームメンバーの育成にも力を入れています。

越田:
チームの中にはもともと店舗で2~3年働いていた社員もいれば、店長経験が長い社員もいます。なので、まずECサイト運営に必要なツールの使い方を覚えてもらい、その後実際にモールなどのECサイトの画面を見ながら、商品登録や受注管理などの業務を覚えてもらうなど、一人ひとりのスキルレベルに合わせた教育を心がけています。決して、特定の誰かをエースにするのではなく、私たちが持っている知識や経験を、少しずつでも良いので、多くのメンバーに伝えていきたいと考えています。

ーー教育する上で、他に心がけていることはありますか?

越田:
教育する中で、様々なタイプのメンバーを見てきましたが、興味や好奇心が強いメンバーは、やはり成長スピードが速いですね。興味や好奇心が強いメンバーは、すぐに理解し、次の施策に繋げようとします。もっと、メンバーの側から「こんなことをやってみたい!」といったアイデアが出てくるような環境を作っていきたいですね。

写真:はるやま商事 EC部 課長 越田 耕一氏

人材育成と組織文化の変革:ECの未来を担うチーム作り

ーー今後の目標や展望を教えてください。

高橋:
来季からは、EC事業の拡大を本格的に進めていく予定です。EC事業を拡大するためには、人員の確保と育成が急務です。はるやま商事は、リアル店舗での販売が中心の会社なので、EC事業に対する理解が得にくいという課題もあります。実際、土地や建物といった大きな資産を持っているため、「わざわざ費用をかけてEC事業に力を入れる必要はない」という意見も根強くある中、EC事業は、リアル店舗ではリーチできない顧客を獲得できるという大きなメリットがあります。EC事業の重要性を社内に理解してもらい、EC事業をさらに拡大していきたいです。

越田:
私も外部から入社したということもあり、常に「社内異文化」であり続けたいと思っています。
はるやま商事は、もともとメガベンチャー企業で、自分好みの服を注文して作らせていたことが主流だった時代に、既製品のスーツを安く購入できるところから事業がスタートし、創業当時、業界の常識を覆すことで成長してきました。しかし、今では変えてはいけない、との考えに染まってしまっていると感じています。業界破壊を繰り返す中で事業を拡大してきた会社だからこそ、もっと社内改革の風を起こしていきたいですね。

ーーそのように思うようになったきっかけはありますか。

越田:
前職で、関西の支店長によく言われていた言葉があります。「部下をお前のコピーにするな。お前のできることはお前がやれ。部下には部下の得意なことをつくらせろ」 この言葉は、私にとって大きな転機となりました。様々な業務に携わる中で、接客を通して、マーケディングを通してしか知りえない学び方があります。それぞれの角度や視点を踏まえて、今後も、いかに社内で変化球を投げ続けられるかを意識していきたいです。

高橋:
社内には、まだまだ今までのやり方を踏襲する文化が根強く残っています。私たちEC部門も、新しいことにチャレンジして、EC事業を通じてさらに成長させていきたいです。

ーー本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

高橋・越田:こちらこそ、ありがとうございました。

はるやま商事
https://www.haruyama.co.jp/

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